<アメリカ産LNG、対日輸出解禁へ>
2月22日の日米首脳会談で、TPP交渉参加とともに、今後の日本経済の焦点となる重要な議論が交わされた。シェールガスのアメリカからの輸入だ。安倍晋三首相は、アメリカ産シェールガスの対日輸出の許可を要請。これを受けたオバマ大統領は、輸出に前向きな姿勢を見せた。
当初、アメリカは、天然ガスをFTA(自由貿易協定)締結国以外に輸出しない方針を示していたが、日本向け輸出を早ければ3月にも解禁するとの観測も流れている。もちろん、日本への輸出は、「国家輸出戦略」の中で、5年間での輸出倍増計画を掲げるアメリカの国益にかなうことになる。
東日本大震災以降、割高な価格でLNG(液化天然ガス)を買わされている日本。アメリカからの割安なLNGの輸入は、火力発電所の燃料費を大幅に減らし、家庭の電気料金の値上げ抑制にも期待ができそうだ。
<シェールガス関連株は軒並み上昇>
株式市場でも、シェールガスに熱い視線が注がれている。日本株は全般的にアベノミクスの追い風を受け、上昇しているが、その中でシェールガス関連銘柄の注目度は高く、アメリカでの共同プロジェクトに携わる電力会社、総合商社などの関連株が軒並み値を上げている。
天然ガスを使う発電設備のガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)をアメリカから受注している三菱重工業は、昨年12月中旬の株価400円近辺から2月下旬までで500円まで上昇。09年からシェールガスのプロジェクトに参入した住友商事は、1,050円近辺から1,129円まで値を上げている。テキサス州のシェールガス・オイル開発プロジェクトに参画し、プラントの使用権利を得た大阪ガスも上昇。昨年末の300円近辺から、26日に年初来高値の366円を付けた。
LNG燃料船を開発している川崎汽船は、130円から208円に高騰。LNGタンク大手のトーヨーカネツも、昨年末の175円近辺から297円近辺まで値を上げている。
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