第85回米アカデミー賞の受賞式が２月24日（日本時間25日）、ロサンゼルスのコダックシアターで行なわれ、各国の有名人たちがレッドカーペットを歩く姿がメディアをにぎわせている。そうしたなかで、アカデミー賞にここ10年縁がない中国の映画業界は冷ややかな視線を送っているという。

　昨年末に第85回アカデミー賞のノミネート発表が行なわれたが、中国語映画は外国語映画賞ノミネートから全て落選。ノミネートにすら選ばれなかった中国映画界はアカデミー賞とは無縁の状態がこれで10年目ということになってしまったことを、地元メディアが報じている。

　中国国内からは、チェン・カイコ―監督の中国映画「捜索」やジョニー・トー監督の香港映画「奪命金」などが期待されたが、いずれもノミネートを前に落選。特にチャン・ロンジー監督の台湾映画「光にふれる」は釜山国際映画祭で観客賞を受賞しており、台湾代表としてもアカデミー賞外国語映画部門ノミネートを目指していた期待作だった。

　ちなみに今回、アカデミー賞・外国語映画賞を受賞したのはミヒャエル・ハネケ監督の「愛、アムール」で、オーストリア映画だ。中国語映画がアカデミー賞に最後にノミネートされたのは、2003年の第75回アカデミー賞にチャン・イーモウ監督の「HERO」で、それ以来、中国語映画の受賞はゼロの状態が続いている。

　なお、台湾のアン・リー監督の話題作「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」は11部門にノミネートされ、監督賞や撮影賞など４部門を受賞した。台湾の映画業界がアカデミー賞で話題をさらうなか、インターネットユーザーからは「大陸との差を見せつけた」「情けない」などの意見も出てきている。中国映画界のアカデミー賞へのコンプレックスはさらに尾を引きそうだ。

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