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尖閣問題、中国・安全保障の専門家は?(4)
政治
2013年3月 2日 07:00

<力を信奉する国・中国>
_ch2.jpg 概念におけるギャップを認識してからでないと、同じ土俵に立てない。タフな交渉相手になるであろう中国と、日本はどのように対峙していくべきか。「日本がやるべきことは、中国を国際社会のなかに引っ張り出して、国際法に適合するようになってもらうこと。中国に、国際的な基準に則るように学んでもらう作業をあきらめてはいけない。一方で、それで中国が納得するかと言うと、彼らの歴史的な背景もある。国際的な基準に合わせることを、中国は『アメリカの論理だ』と言うかもしれない。対話を深めていくことは重要だが、それだけで中国と対峙できるかというとそうではない」(安田教授)。

 中国は、力を信奉する国。「弱みを見せるとそこに付け込んでくる。日本側も、中国に隙を見せないだけの軍事力を身に付けていかないといけない」と、守るために真っ当な防衛力を持つことを国民が真剣に考えるべき時に来ている。現行の憲法、自衛隊法上では、中国の行為に対し、自衛隊は身を守るためであっても攻撃をできない。弱みはある。
 逆に言うと、日本も今後、継続的に一流国たるために国際基準に合わせなくてはならず、そのためには、防衛をアメリカに委ねず、自分の国を自分で守る防衛力を身に付けることは必須だろう。

<中国は、日本の軍事力をどう見ているか>
 中国は、日本の防衛力をどう見ているのか。安田教授は「『日本の持っている軍事力は優れたものであって、注意すべきものである』という認識をしている。ただ、中国は核兵器を持っている。日本は核兵器を持っていないというのは重要なポイント。半面、日米同盟によって、アメリカの核の傘のなかに入っている。そこも当然、認識している」と、分析する。

 中国は経済発展とともに、世界を見据え、着々と、軍事力を充実させている。空母などの海軍力、航空戦力、潜水艦に加え、「ミサイル戦力」も充実させていると安田教授は語る。「海軍力、航空戦力の強化はよく言われていますが、ミサイル戦力の能力向上にも注意を払うべき。陸軍大国であった中国。陸戦能力も、海軍力、航空母艦の能力充実のベースにある」(安田教授)。その12年度の国防費は、公表された額で約8兆7,000億円に上る。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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<プロフィール>
yasuda_pr.jpg安田 淳(やすだ じゅん)
慶応義塾大学法学部教授。専門分野は、国際関係論。専攻領域は、現代中国の安全保障、軍事。1983年、慶応義塾大学法学部卒業。89年、慶応義塾大学法学部博士課程単位取得退学。防衛庁防衛研究所、防衛庁教官を経て、99年に慶応義塾大学助教授。05年より現職。


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