<次世代の検索エンジン>
キューロボ(Qrobo)とは、セマンティックテクノロジーをベースに開発された韓国の検索エンジンのことを言う。「Q」は英語の「cue」または「question」を、「robo」は英語の「robot」を指していて、「ロボットに質問をする」という意味である。
1996年度から曺光鉉社長がこれをニューテック企業付設研究所で開発し始め、2008年に開発が完了した。この12年間の汗と涙が凝縮された努力の賜物は、『次世代の検索エンジン』と評価されている。
『セマンティックWeb』は1998年にティム・バーナーズ=リー氏によって提唱された技術であり、「情報リソースに意味(セマンティック、semantic)を付与することで、人を介さずに、コンピューターが自律的に処理できるようにするための技術」と定義されている。
1998年という年は、曺氏が本格的にエンジン開発に没頭するタイミングとマッチする。同氏は22歳からニューテック研究所で世界最先端の技術開発に携わってきたのである。
<第3世代ロボット検索世代へ突入>
キューロボの特徴は、すべての単語を数字にして、単語と単語の関係を数学公式のように分析する過程を基本原理として使っている点だ。キューロボは、単語辞書または形態素解析などを行なわず、この数字文法を活用する。そのためキーワード検索と違って、同じ単語についても「この単語がどのような意味を持つのか」を認識したうえで検索結果を提示してくれるのだ。
現在、ロボット型(エージェント、agent)検索エンジンは、第3世代を迎えている。
第1世代のロボット型検索エンジンは、早いクローリングと膨大な情報量が最も大事な要素であって、代表的なものとしてはAltaVista(アルタビスタ)がある。
第2世代のロボット型検索エンジンは、膨大な情報のなかで良質の情報を探してくれるのが一番大事な役割であって、代表的なものとしてGoogle(グーグル)がある。
そして第3世代のロボット型検索エンジンでは、『情報の意味を分析できる』セマンティック・テクノロジーが一番大事な要素となる。
この第3世代のロボット型検索エンジンでは、キューロボのほかにはアメリカの『Hakia』という会社がある。さらに『Powerset』という会社もライバルだ。Hakia社は半自動化されたセマンティック・テクノロジーで分類された結果を示してくれる。また、Powerset社はWikipediaのような厳選された情報を持っているサイトなどをベースに、検索結果の意味分析を行なっている。
その反面、キューロボは自動化されたセマンティック・テクノロジーをベースに第3世代のロボット型検索エンジンを使っている。
このキューロボの第3世代のロボット型検索エンジンの説明をもう少し付記しよう!!
キューロボは、情報の収集と分析のすべてをロボットが実行してくれる全自動化検索テクノロジーである。主要ロボットとしてはオントロジーロボット、パーソナライズロボット、イシューロボット、タグロボット、ドキュロボットなどのロボットが36段階の分析プロセスを経て分析を進める。そして、1つの単語を中心に前の5単語目まで、後ろの5単語目までの関連性を分析できる(これは膨大な演算処理が必要で、他社では事例なし)。1秒あたり約30億回の演算処理能力を有している。
次に、予想される汎用のケースを紹介しておこう。
(1)API(Application Programming Interface)を提供することによって、検索エンジンの導入ができる。(2)マーケティングツールとして活用される。例としてはソウル大学病院、三星カード等々。(3)ビッグデータの処理――たとえば韓国全土での病院患者の病気の進行度合いの予測も可能。(4)スマートフォンなどのモバイル検索。
まずは(3)の「ビッグデータの処理面では、革命的な成果をあげるのではないか」と囁かれている。
※記事へのご意見はこちら