7月に行なわれる参議院議員選挙へ向けて、いよいよ動きが慌ただしくなってきた。同選挙において、参議院で野党が議席数で与党を上回っている「ねじれ」の解消を目指す自民党だが、福岡では現職・松山政司氏を公認し、手堅く1議席を確保する方針。対する民主党は、現職・岩本司氏が参院選公認候補の公募に応じず、前衆議院議員の野田国義氏と経済評論家の野中幸市氏の2名から、党員・サポーターの投票によって3月16日に選出される。
3月1日に新たに福岡県支部を設立し、県内の組織作りに注力し始めたみんなの党では、2月28日発表の第1次公認で、昨年末の衆院選に福岡7区から立候補した古賀輝生氏が公認予定となっている。現段階では選挙区が明示されていないものの、福岡県選挙区の候補者との見方が強い。県支部長の佐藤正夫衆議院議員は、日本維新の会との選挙協力について「まず、候補者をお互いに出さないと交渉にならない」と述べ、日本維新の会が公募した候補者が決定する3月末を待って交渉が始まるとの見方を示した。
低迷する政党支持率をふまえ、民主党関係者からは「敵は、みんな・維新の統一候補」との声が上がっている。そのしたなか、日本維新の会へ秋波を送る民主党国会議員もちらほら。日本維新の会関係者からは、「今になって元民主党の人間では、有権者が混乱するのではないか」と、疑問を呈す。
一方、動向が注目される現職・岩本氏だが、民主党の支持団体である日本労働組合総連合会(連合)に助けを求めているとの話があり、「連合から、公募をしたこと自体が否定されかねない」(民主党関係者)と、どんでん返しを懸念する声も。3月2日の公開討論会で冒頭のあいさつに立った吉村敏男県連幹事長は、「現職も含めた党内外からの公募は、岩本氏本人も出席した常任幹事会の満場一致で決まった」と、正当性を強調した。もし、党員・サポーターの判断が覆されるようなことがあれば、民主党はますます支持を失うことになるだろう。
大方の立候補予定者が出揃う4月頃から、7月の参院選へ向けて、各陣営の動きは活発になっていく。同選挙ではインターネットの利用が認められる運びであり、HPやブログ、ツイッター、フェイスブックなどでも盛んな情報発信が始まりそうだ。
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