アジア太平洋マネジメント(代表:青木道生)は、2013年3月1日付をもって、創業3周年を迎えた。銀行出身の若手経営コンサルタントとして、福岡県内はもちろん広く九州圏内から注目が集まる同社に注目してみた。
アジア太平洋マネジメントの代表、青木道生氏は、10年2月末日に27歳で勤務する銀行を退職し、翌3月1日に経営コンサルタントとして独立開業した。開業後はFAIS((公財)北九州産業学術推進機構)の経営相談員や中小企業大学校(直方校・人吉校・広島校)の財務会計系講座の講師を務め、大手保険会社主催の講演会の講師や税理士会での講演、行政やベンチャーインキュベーション企業および九州各地の商工会での講演会・研修会における講師の依頼をこなしてきた。現在は金融円滑化法の期限切れにともない、行政から相談員としての打診が相次いでいるという。
公的色彩の強い職務を、民間の経営コンサルタントが受任するケースは少ない。青木氏への依頼の背景には、同氏の豊富な知識と経験に裏打ちされた企業再生の実績があるのだ。金融機関との「協調」をテーマとし、銀行決算の仕組みそのものを的確に把握しているからこそ、債務者(借手)の財務内容の良化を図り、銀行に与えるロス(損失)の最小化を図るモデルが形成できるのだろう。そのプロセスで、企業を倒産させることなく、的確に財務内容の良化を図るため、企業自体も活力を取り戻し、また金融機関も債務者の財務内容の回復にともない、正常な融資取引を再開できるメリットがある。金融機関から「破綻懸念先」という債務者区分を付与されると、基本的には追加融資の可能性は極めて低くなる。同社では、この「破綻懸念先」またはそれ以下の債務者区分に属する企業を短期間で正常な融資取引が可能となるまでにランクアップさせる点が特徴的だ。青木氏は、「この手法は、単に財務内容を回復させるのではなく、その背景に銀行の格付および債務者区分の精緻な算出方法を理解していなければ、実現不可能である」という。
格付および債務者区分のランクアップは、金融機関にとっても与信(融資)管理の最大のテーマであり、取引先の格付・債務者区分のランクアップは、高く評価される。そのため多くの場合、銀行と内部資料の共有を図り、支店サイドと綿密な打ち合わせを繰り返し、銀行の本部(主に審査部)に対して提出する各種資料の共同作成を行なう。支店の担当者からは、「短期間で、破綻懸念先の債務者がランクアップすることは、経験したことがない」「私の銀行員人生でも、初めてだ」とのコメントが寄せられる。そのため、破綻懸念先もしくはそれ以下の区分に属する取引先の紹介が、銀行の支店から行なわれることもあるという。
また、ABL(動産・売掛金担保融資)から派生させた銀行・再生ファンド向けの新たなスキームも、北九州市において弁護士・公認会計士・司法書士・不動産鑑定士・銀行員・証券会社とともに開発中である。福岡市内における、ある大型プロジェクトにおいても、弁護士2名・公認会計士・税理士・司法書士・社会保険労務士のチームの中心的役割を担っている。金融および財務面に係る相談量は膨大であり、他士業および同業コンサルとの「協調」にも力を入れ、士業連携に大きく貢献している。さらに、同氏のブログは閲覧者数延べ25万人を超え、中央の金融機関のシステム(イントラ)にも組み込まれているほどだ。
創業わずか3年間で、数多くの功績を残す同社の今後に期待したい。
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URL:http://www.aphd.jp/ (お問い合わせフォームより)
E-mail:aoki@APHD.jp (代表者直通)
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