＜キューロボ検索エンジンの特異性＞
　前回、10年にわたって開発を続けてきた同社のロボット型検索エンジンについて、以下の２点に触れた。

　（１）情報の収集と分析のすべてをロボットが実行してくれる全自動化検索テクノロジーである。主要ロボットとしてはオントロジーロボット、パーソナライズロボット、イシューロボット、タグロボット、ドキュロボットなどのロボットが36段階の分析プロセスを経て分析を進める

　（２）１つの単語を中心に前の５単語目まで、後ろの５単語目までの関連性を分析できる（膨大な演算処理が必要で、他社では事例なし）。１秒当たり約30億回の演算処理能力を有している。これは他社を凌駕する画期的な性能である。このシステムの基本は、『セマンティックウェブのオントロジー技術』をベースにしている。この技術は、1998年から浸透し始めてきたものだ。

　今回、さらに説明していこう。

　（３）キューロボは、一般的に韓国語、英語、日本語などで行なわれているような形態素解析に依存する方法ではないので、従来のような形態素解析または単語辞書を使わない。現在、12個の言語については開発が完了した状態であり、新しく追加される言語については１つの言語につき約３カ月の時間が所要されるだけである。また、キューロボ専用OSであるセメニックス（SemanNux）は50Mbytes未満の超軽量OSで検索専用命令語の集合体でなっている。このOSもLinux（リナックス）をベースに自社で開発したものである。『何でも自前でやる』のが、この会社の特徴的な風土になっている。

　（４）キューロボランクとキューロボブレードサーバーは、キューロボ検索サービスのために、キューロボで自社開発したハードウェアである。これは、ラック１台に128～最大1,000台のサーバーが収まっており、空間の節約につながる。電気の使用量も既存サーバーの10分の1程度にすぎないのは驚異的なことだ。

　（５）驚くべきことにウェブ検索はもちろんのこと、グーグル社も対応していないFacebookのようなSNS、Twitterなどの検索も可能となっている。また、検索の主戦場がモバイル機器に移りつつある傾向であり、今後はキーワード検索よりタッチパネル環境に適して、かつ効率的なセマンティックベースの検索テクノロジーであるキューロボがもっと必要とされる。

＜各分野への影響力が強まり出した＞
　さらに、各方面に影響を与え始めている。
　たとえば、ガドナー社の香港フォーラムにキューロボが招待され、プレゼンを行なった結果、多くの専門家から絶賛を受けた。また、マイクロソフト社による１年半にわたった検証でも、検索エンジンのなかで最高の評価を得た。さらに、今後、日本の大手企業との提携をはじめ、インドのIT会社との連携など、グローバル展開が加速される予定である。

≪　（２）　｜　（４）　≫

※記事へのご意見はこちら