2011年3月11日、巨大地震が東日本を襲った。この地震が日本人にもたらしたものは、自然の驚異の再認識と、原子力発電への危機感だった。それを受けて政府は翌年7月より再生可能エネルギーの固定価格買取制度を導入。太陽光をはじめとする再生エネの普及を目指すことを決めた。芝浦グループホールディングスはいち早く制度に反応した企業の1つ。嘉麻発電所を皮切りに、メガソーラーを次々と開設している。多くのチャレンジを続ける同社新地哲己会長に現状とファンド化のいきさつを聞いた。
<希望の技術の普及に向けて>
――再生可能エネルギーへの期待が高まりつつあります。そんななか、いち早くメガソーラー事業に乗り出された先見の明には頭が下がります。
新地哲己(以下、新地) 昨年、20年間1kWあたり42円という高値で買い取る制度が実現されました。制度化がメガソーラー事業の活性化につながったのは事実だと思います。九州は気候が良く、太陽光発電に適しています。適地さえあれば、必ず利益を上げることができるのがメガソーラー事業の特長だと思います。
――制度がスタートした7月1日、いち早くメガソーラー事業を嘉麻市でスタートされましたね。ここを皮切りに今では多数のプロジェクトを手がけていらっしゃいます。
新地 九州ソーラーファーム1嘉麻発電所は、初めてのメガソーラー発電所でしたが、予定通りスタートを切ることができました。出力も安定しています。嘉麻発電所がスタートした翌8月には熊本県玉名市に南関セキア発電所を、10月には佐賀市に川副発電所が発電を開始しました。
――次々と稼働させていく手際の良さは、他に類を見ないと思います。
新地 ありがとうございます。私は1977年に個人創業して以来、さまざまな事業に取り組んでまいりました。その経験があったからこそ、土地の取得、ソーラーパネルの設置など、さまざまな企業様の協力のもとスムーズに実現できたのだと思います。
――新地会長の長年にわたる事業経験がメガソーラーというかたちで実を結んだということですね。創業者というのは、それぞれ豊かな発想力と行動力を兼ね備えているように見えます。
新地 どの企業でもそうだと思いますが、創業者の粘り強さや事業にかける想いというのは、相当なものがあるように思います。ただ、中小企業の場合は、創業者の行動に見合うだけの資金が用意されないケースが多くあるように感じております。
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<COMPANY INFORMATION>
■芝浦グループホールディングス(株)
所在地:北九州市小倉南区上石田4-17-22
福岡支店:福岡市中央区天神3-10-30オフィスニューガイア天神7F
資本金:4億5,400万円
設 立:2010年8月
TEL:093-962-6007
FAX:093-962-6005
URL:http://www.shibaura-group.com/
<プロフィール>
新地 哲己 氏
1953年生まれ。電気技術者として就職、77年にシンチデンキとして独立。84年に芝浦特機(株)として法人化。2011年にはメガソーラー事業を進めるためにニューガイアエナジー(株)を設立。以後、次々とメガソーラー発電所を設置、運営している。
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