＜設立から25年で株式上場、社員の「人間力」が可能にした積極展開＞
　（株）グリーンクロスは、西日本・九州エリアを中心に安全機材用品の販売およびレンタル、サインメディア事業を手がけている。同社の始まりは1969年１月まで遡る。創業者の故・青山明氏とその大学時代の同期である元専務取締役の柴田泰三氏が、前職での経験をもとに交通標識製作所として創業。71年７月に法人化され、83年５月に現商号へ変更。本社を置く福岡地区を皮切りに、北上を続けながら営業エリアを拡大し、96年12月には福岡証券取引所へ株式上場を果たした。

　地場企業の１社として、短期間で株式上場を果たしたのは、創業者である青山氏の影響が強い。青山氏は、自身の直接指導や外部から講師を招くなどして、人材育成への投資を積極的に行なってきた。「仕事は学問である」という考え方、「仕事を通じて自身の人生を形成していく」という同社の理念を行動することで示してきた。多数ある同業他社との違いを明確にしたのは、そうして磨き上げられた社員１人ひとりの人間力である。個人の営業努力の積み重ねによって、自社のポジションを明確にしている。

　株式上場以降も、99年２月には現在の同社の核事業とも言える広告・看板製作の「グリーンメディア事業部」、同年11月には安全用品レンタルの「グリーンレンタル事業部」を開設。また、06年９月には（株）児島産業岡山（08年９月に吸収合併）、10年10月には東亜安全施設（株）（東京都杉並区）を子会社化するなどし、同社および関連会社でグループを形成するに至った。近年においても、営業拠点は着実に拡大しており、12年１月にはついに東北地方へ進出した。

＜安全用品の専門家として、顧客目線の提案を続ける＞
　同社が躍進を続けてきた要因はほかにもある。それは、蓄積されたデータに基づく提案力だ。創業以来、蓄積され続けてきたさまざまなデータが、どの現場で、どの商品を使って、どういった効果を上げることができたか。顧客の要望を緻密に収集し、すぐさまそれを反映させた提案を行なう。同社は、拡大路線を続けながらも地場密着型のサービス提供を行なっているため、日々の提案活動が集約され、次回以降の提案に役立つ。データの収集と活用が一体となった流れが形成されることで、同社しか行なえない顧客目線の提案が強みとなり、業界のリーディングカンパニーとしての地位を築くことができている。積極的な営業展開の一方で、各地域において地場密着型のサービス提供が可能なことも、同社の特徴と言えるだろう。
　これは、同社がシェアの拡大を図っていくなかで、１つの現場を取った・取れなかったという目の前の勝ち負けだけにこだわらないことからもわかる。顧客とのつながりという部分にウエイトを置き、将来を見据えて一時的ではない長期的な関係性を築いていられるか。各営業社員について、きめ細やかな営業管理を行なうことで、より効率的で顧客目線の対応を行なえる環境づくりに勤しんでいる。

　効率化という面では、11年３月に物流基地「グリーンクロスロジスティクス」（佐賀県鳥栖市）を開設した。従来別々に動いていた事業部を同施設に集約することで、効率化と行動決定における迅速な展開を可能とした。同社は、従来の拠点である西日本・九州エリアから全国を視野に入れた展開を進めており、10年10月には関東、12年１月には東北地区への営業拠点を開設。とくに、仙台営業所の開設には、全国展開という方針だけでなく、東日本大震災によって重大な被害を受けた被災地において、安全・サインメディアを通じて大きく貢献していくためとしている。安全用品の専門家として、国内39拠点（12年４月期時点）のネットワーク網を有しており、今後も積極展開を行なっていくとしている同社。その足取りは止まることはない。

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＜COMPANY INFORMATION＞
■（株）グリーンクロス
代　表：久保　孝二
所在地：福岡市中央区小笹5-22-34
設　立：1971年7月
資本金：6億9,726万円
ＴＥＬ：092-521-6561
ＵＲＬ：http://www.green-cross.co.jp

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