未曾有の被害をもたらした2011年3月11日の東日本大震災。間もなく2年を迎えようとするのを機に、弊社取材班が被災地を歩き、復興の今をレポートする。
3月11日の震災2周年を前に、弊社取材班は仙台空港に降り立った。
航空機からは、空港から間近い海岸線で進む海岸堤防の整備工事の様子が目に飛び込んでくる。防潮堤のごとく建ち並ぶクレーン車の列が、地平線まで続く大規模な工事。堤防の総延長は約30kmにも及ぶ。特に空港周辺は、重要施設の保全のために優先的に工事が進められているとのこと。目に見える形で進む復旧工事に、復興への着実な歩みを感じさせられた。
しかし、津波被害を受けた湾岸地区に足を踏み入れた途端、筆者は認識の甘さを痛感させられる。広大な空港周辺の敷地はほぼ更地に近く、行きかうのは堤防工事などに携わる工事車両ばかり。ガードレールは震災当時のままに折れ曲がり、なかにはいまだに解体されず無残な姿をさらす民家も見受けられる。2年を経てもここまでしか復興が進まない現実が、いかに震災の爪痕が大きかったかを物語る。
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