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東日本大震災

【震災から2年】被災地を歩く(2)~名取市閖上・大漁旗を囲む笑顔
東日本大震災
2013年3月 9日 11:48

 仙台空港のある宮城県名取市では、震災によって死者911人・行方不明者41人の被害が出た。半壊以上の建物は実に5,000棟以上にのぼる。震災が発生した2011年3月11日、名取市内の中学校では卒業式が執り行なわれていた。そのなかの1校、閖上(ゆりあげ)中学校を訪れた。

 同中学校は震災後に移転されており、当時の校舎は人影がなく、犠牲となった生徒の名前が刻まれた石碑と献花台に備えられた花が寒空の下にあった。近隣でコンビニの営業を再開させた地元住民によると、震災当時、公民館から中学校への再避難の指示があり、結果的にこれが犠牲者を増やすことになったという。

名取市立閖上中学校(旧校舎)

 大きな爪痕が未だ残る閖上地区だが、笑顔にもめぐり合った。ひと際色鮮やかな大漁旗が風に踊る様子が眼に飛び込んできた。場所は閖上漁港。聞けば、その日は新造された漁船の納入日なのだという。

大漁旗なびく漁船

 真新しい漁船を取り巻く人々の顔に、新たな生活への希望と復興への決意が見て取れた。関係者によると、このような新造船を手にすることの出来る漁師は、まだまだ限られているという。皆で喜びをわかち合う漁業関係者の笑顔に、震災を乗り越えて共に生きる人々の「絆」を感じた。

(つづく)
【特別取材班】

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