河北省にある200人程度の小さな村で、中国共産党の腐敗政治を暴露する新聞が発行されていることがわかり、海外メディアなどに注目されている。
独自の新聞を発行しているのは、ナンコウエイ村という村民約200人の小規模な村。中国共産党の役人の傍若無人な政治によって、人口がわずか数年で激減したことから、腐敗政治について暴露する新聞の発行を始めたという。「百姓の声」という名前の新聞には、政府の役人が村民の土地を売り払って、私腹を肥やしていることや、大手建設会社との癒着などが赤裸々に書かれているという。
あまりに内容が過激なことに業を煮やした政府は、この新聞を発行する印刷工場に新聞の発行を手伝わないよう通達を出すなど規制をかけたようだが、工場を別の場所に移したり、新聞の名前を変えたりと、新聞社側は今でも毅然と戦っているという。
現在開会中の全人代で先週、2012年までの過去5年間に、汚職事件などで立件された公務員の数が21万8,639人に上ったとする報告があった。その前の5年間では、約21万人が立件されている。数の大きさからして、この村のケースは、国内のどこにでも起きている日常のことのようだ。
中国では都心部でも自由な報道が制限されている。尖閣問題や大気汚染問題といった、政府に都合の悪いことについては、報道規制が敷かれている。インターネット上では、政府を批判する記事は削除されたり、インターネットそのものが遮断されたりしているが、誰でも情報発信ができるネット時代に、NOの言える中国国民が増えてきたのは、一筋の光が見えてきたのかもしれない。
習近平氏は今国会で、公務員の腐敗政治からの脱却を宣言し、腐敗政治を引き起こさないメカニズムをつくりあげることを名言している。どのぐらい実行できるか、新体制の手腕が期待される。
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