<IOC評価委「熱意伝わった」>
2020年の東京オリンピック・パラリンピックが、実現に一歩近づいた。国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員会による東京視察が7日、公式日程を終了。評価委員会のクレッグ・リーディ委員長は「政府、経済界の力強いサポートがあった。開催に対する熱意を感じた」と、4日間の視察を終え、ハード面、ソフト面で東京に高評価を下した。
招致委員会の荒木田裕子理事は、「日本らしい、丁寧で細かく仕事をするという部分を評価してもらった」と手ごたえをつかんでいる。評価委の視察、移動の時間も綿密に計算し、予定通りに日程を終え、細かい部分でも運営能力の高さを示した。世界の国のなかでも、時間を守ることにかけて、きっちりとしている日本のよさをアピールできたもよう。
卓球女子の福原愛選手やパラリンピックの車いすテニス男子の国枝慎吾選手ら多くのアスリートが各視察先で評価委を出迎え、歓迎。フェンシングの太田雄貴選手は、選手目線でのプレゼンで存在感を見せた。「一丸となれたことが大きい」と、招致成功への自信をのぞかせた。
<オールジャパン体制築いた>
16年の招致では、国民の支持率が低かった点が評価に響き、インフラ面では高評価を得ていながら、南米初の五輪招致に国を挙げての熱意を見せたブラジル・リオデジャネイロに敗れた。
20年は、前回の反省を踏まえ、安倍首相のスピーチ、皇室や経済界の全面的な支援を受け、オールジャパン体制を築いた。「招致できたら○○をします」などのプロモーション策も功を奏し、昨年5月時点で47%だった東京都民の招致に対する支持率は、今回行なわれたIOCによる世論調査では70%へと大幅上昇。下村博文文科相は、「安倍総理はじめ、政府が全面的に協力できた。16年の招致の時にはなかったこと。視察は終わったが、9月の決定まで全閣僚で全面的にバックアップしていく」と、前回とは違い、政府、経済界、スポーツ界が一枚岩となっている。
開催都市決定は、9月7日。これまで五輪を開催したことのない「イスラム圏初」を謳うトルコ・イスタンブール、スペイン・マドリードの2都市がライバルとなる。アルゼンチン・ブエノスアイレスで行われるIOC総会でIOC委員による投票で決定する。
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