＜人口増で注目を集める福岡の住宅市場＞
　福岡では、リーマン・ショック前まで地場デベロッパーのシェアが６割ほどあったが、以降は中央大手デベロッパーにシェアを奪われた。金融機関の地場デベロッパーに対する融資姿勢がシビアになったことから、中央大手が資本力でシェアを拡大していったのだ。それまで、地場デベロッパーのシェアが大きかった理由の１つは、決済スピードだった。しかし、最近では用地取得が困難になってきたことから、地方の支店にも決裁権限が付与され、決済スピードだけでは大手に対抗できなくなってきたという。

　他方、このところは金融機関もプロジェクトの可能性次第で積極的に融資しているようだが、大手は資本力を背景に、地場デベロッパーでは対抗できないような金額で用地取得ができることも、シェアを奪われている結果につながっているという。現在、マンション販売が好調な福岡都市圏だが、「これからは地場デベロッパーのシェアを元の水準にまで復活させたいのです」と諸藤社長は語る。

　福岡市は単身世帯が多いことや、人口が増加傾向にあることから、全国的に見ても有望な市場と言われる。また、年間に人口が１万人増えているなかで、約半分は単身世帯だ（福岡市によれば、2011年10月１日から12年10月１日で１万2,821人の増加）。今の若い単身世帯が結婚して、福岡に住み続けるとすれば、10年後には、ファミリーマンション、戸建を検討する見込み客となる。
　住宅市場において、人口そのもののボリュームはもちろん、若者の流入が少なければ市場が先細りしていくだろう。全国的にも人口の増加している都市は少ないことから、注目を集めており、大手デベロッパーの参入も増える結果となっている。競合ひしめくなか、同社は分譲マンション事業以外にも、投資用マンション事業を行なうが、12年１月期の同事業の売上高は、前期比28.6％増の約20億円と健闘している。

＜九住協理事長を兼任し、福岡の発展に尽力＞
　諸藤社長は設立50周年を迎えた、（社）九州住宅建設産業協会（略称：九住協）の理事長も兼任する。151社の加盟企業（12年10月末時点）を有する九住協の理事長として、九州の住宅・不動産業界の発展に寄与していくことが大前提とするも、福岡市がリーダーシップを取って、発展することが九州全域において重要との考えから、「福岡市は海外の玄関口とは言いますが、海外において福岡市の知名度は高いとは言えません。東京・大阪・名古屋の３大都市圏から福岡・札幌を含めた５大都市圏へなれればいいと考えています。ソウルと福岡の直線距離は大阪と変わりませんし、上海と東京も同様です。福岡市の競争力は非常に高いと思いますし、それをアピールすれば達成できるでしょう。
　まちの力とは人口です。そういったことからも、200万都市になることを期待しています。行政・各業界団体と連携して福岡市の良さをPRしていくことが求められています。人口が増えれば、住宅需要が増え、各業界がWIN-WINの関係を築いていけると考えています。私が理事長をしている間に、その基礎固めをしていきたいですね。」と九住協の理事長として、今後のビジョンを述べた。

　福岡のマンション市場は、地場デベロッパーが強いと言われる。そのなかで、リーディングカンパニーである同社の取り組みが、九州全体の不動産市場を活性化させることが期待される。

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＜COMPANY INFORMATION＞
■（株）コーセーアールイー
代　表：諸藤　敏一
所在地：福岡市中央区赤坂1-15-30
設　立：1990年12月
資本金：3億3,800万円
ＴＥＬ：092-722-6677
ＵＲＬ：http://www.kose-re.jp/

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