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九州再生可能エネルギー王国の可能性~山の斜面をメガソーラーに
脱原発・新エネルギー
2013年3月12日 13:12

 九州の日照条件は良好だ。太陽光発電に向いた土地柄である。ひとつは緯度が低いこと。これは地球が球形であることに関係する。赤道に近いほど、同一面積当たりの日照量は大きくなるため、緯度の高い北海道や東北よりも発電効率が上がるのである。
 もう一つの優位性は天候。雪による影響が少ない地域が多いことが挙げられる。雪が積もるような地域では、パネルにも雪が積もるため、それ自体で発電効率は大きく下がる。
 また、雪が積もらないようにするためにはパネルに大きな角度をつけなくてはならず、これも発電効率に影響を与える。そういったことを考慮しなくてよい九州は、太陽光発電に適しているのである。

yoteiti_1.jpg そんな九州でも大分、宮崎、熊本の一部は太陽光発電にもっとも適した地とされている。全国でもトップクラスのエリアなのだ。実は先週末、ある場所の視察を行なってきた。そこはバブル期にゴルフ場として計画され、工事をする前にバブルがはじけてとん挫。以降、手つかず状態で放置されたなだらかな丘陵地だ。大分県北部に位置するその場所に、現在メガソーラー発電所を設置しようとしている動きがある。その実現可能性について、現地調査に同行させていただいたのである。

 南西にむかってゆるやかな下りののり面を有するその地は、「地図上で見れば」近隣に高い山もなく、極めて有効に日照を活用できる土地であると考えられる。机上で叩き出された数字は、なんと出力50メガワットである。
 しかし、実際に現地に行ってみると地図からはわからない現実が見えた。まず、整地がまったくなされていないため、地面の凹凸が激しい。加えて、木々が生い茂っているため、単純にブルドーザーを入れて均(なら)す、といった作業だけでは不十分なのだ。木々を根から断ち切るならば、数m単位で掘り返さねばならないだろう。近隣には竹林もある。竹の処理も必要になるかもしれない。いわゆる、普通のよくある雑木林なのである。

yoteiti_2.jpg これまで九州のメガソーラーと言えば、工場跡地や、商業施設跡地など、ある程度、整地さえた場所が選ばれてきた。それは、もちろんイニシャルコストを抑えて利回りをよくするためである。
 今回、視察を行なった場所は、いわば未開の山。整地から行わなくてはならないのだが、同行させていただいた太陽光に詳しい方によると、それでも利益が叩き出せる可能性があるという。
 事業規模はおよそ150億円程度を想定しているようだが、整地の難しさによって事業費が1割増えたとしても、日照条件の良さからコストを吸収できる可能性があるというのである。精緻な予測のためには正確な測量が必要となるが、もし、このプロジェクトが成功すれば、九州中の多くの未開の山々が発電所として生まれ変わる可能性も出てくる。その暁には、九州が再生可能エネルギー王国として、エネルギーの地産・地消を実現できるようになるかも知れない。

 いずれ、工場跡地などの「使いやすい土地」は活用されてしまう。そうなった後の土地活用策として、山の開拓というのは意義が大きかろう。その試金石として、本プロジェクトがどう動いていくのか見守っていきたいと思う。

【柳 茂嘉】


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