再生エネルギー全量買取制度の後押しや消費者の環境意識の高まりを受け、需要が急上昇している太陽光発電。異業種からの参入などもあり、続々と販社が増えているため、受注した工事を捌ききれない企業も多く見られる。そんな現状を横目に、施工に特化して地場で着々と力をつけている（株）デンショウの代表取締役の村上研作氏に話を聞いた。

＜独立から３年――職人を育てながら業容拡大＞
　「この仕事をやっていて、何が一番嬉しいかと聞かれるとそれは"社員の成長"ですね。仕事から帰ってきて『以前はできなかったけど、今回の仕事を機にようやくできるようになりました』と、その言葉だけでやりがいを感じます」と村上研作社長は笑顔で語る。福岡市を中心に北九市、糟屋郡、朝倉市、久留米市、大分市で太陽光発電の販売・施工を手がける（株）デンショウ。その歴史は３年前から始まった。

　独立当初は、村上社長を含めた３人で事業を開始し、施工は村上社長自らが行なっていた。「はじめは他社の応援などが多かったのですが、そのうち自社でも営業をするようになりました。大手メーカーなどと付き合えるよう、地道に施工をし、信用を培ってきました。太陽光発電ビジネスといっても大きく分けて屋根工事、電気工事、オール電化工事があり、それを１人で受け持っていましたので、正直大変でした（苦笑）。しかし、社員も徐々に増え、ようやく基盤ができてきました」と当時を振り返る。

　現在の社員数は17人（うち職人は14人）。目標としては３班体制をつくるために20人は必要だという。工事は職人の仕事ということもあり、１人ひとりが成長するまでに時間がかかる。「工事というのは信用がなければ成り立たない仕事です。そのため、真面目さに加えてコミュニケーション能力も問われてきます。お客さまの『もっとこうしてほしい』という思いを汲み取り、こちらから声をかけて提案する――。そういったサービス業的な精神を持ち合わせた職人を育てています。今では社員たちに現場を任せられるまでになりました」（村上社長）。

＜施工から販売まで臨機応変に対応＞
　日本の家屋の屋根は千差万別で、１つとして同じ屋根はないといっても過言ではない。多くのメーカーは施工研修を行ない、メーカーに合った施工方法を教育しているが、すべてに対応できるとまではいかない。だからこそ、太陽光発電の設置工事には十分な知識と技術、そして応用力など、さまざまな実績が必要とされている。

　同社では、設置目的や家族構成、周囲の環境、屋根の状態、そしてどの種類の太陽光パネルを設置するのかということまで、お客さまが求める条件に応える"対応力"がある。これは、一朝一夕で身に付くものではない。現に他社が対応しきれない工事はメーカーを通して流れてきている。それは同社が今までにさまざまなメーカーの太陽光パネルを扱ってきたからこその幅広さだ。
　「ハウスメーカーの造りはいろいろありますので、取り付けることができないことも多々あります。そういった場合、弊社の方ではメーカーとタイアップして取り付け可能にしたり、設計士と組んで同時に金具を自作したりして対応しています。そういったノウハウの蓄積も弊社の強みの１つと言えます」と語る村上社長の言葉からは力強さがうかがえる。

　全量買取制度の導入により、太陽光発電メーカーや販社が急速に増加しているが、その多くは時流に乗って参入してきたにすぎない。その点、同社は屋根工事、内装工事、電気工事を幅広く行ない、下地を固め職人を育てている。太陽光発電の設置工事に関しても実績があるため、販売から工事といった方式の他社と違い、販売においても信頼がおける。何より顧客目線での説明・施工が行なえるという部分が安心感を与えてくれることが、他社にはない独自の強みだろう。

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＜COMPANY INFORMATION＞
■（株）デンショウ
所在地：福岡県太宰府市国分１-19-34
TEL：092-408-9681
FAX：092-408-9682
URL：http://www.denshou-co-ltd.jp/

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