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東日本大震災

復興まで「までいライフ」で粘り強く(4)~福島県飯舘村長 菅野 典雄 氏
東日本大震災
2013年3月14日 10:52

<原発事故から何を学ばなければならないのか>
 次の世代に豊かな自然を残すためにも、多くの日本人は、原発事故から学ばなくてはならない。飯舘村の菅野村長は「次の世代に迷惑をかけない生き方をすることが大切だと思う。そのことを考えるきっかけが原発事故だったのではないか。効率やスピード、お金がすべてではない。次の世代に、いい国を残すために、日本がいいカーブを描くなら、辛い避難生活もがんばる価値がある」と語る。

 村では、今も、原発事故前の"ゼロ"に戻すための切実な努力が続けられている。「放射能の災害は、ほかの災害とは全然違う」。原発事故で汚された土地は、まず放射能を除染することから始め、"ゼロ"に戻すことを目標にしてスタートする。村の場所によっても線量は違い、線量によって、村民への賠償の額も違ってくる。小さな子どもがいる家庭といない家庭では、放射能に対する考え方も変わってくる。「白と黒で答えを見つけられない。そこが難しい」と、目に見えない放射能汚染という怪物と戦う困難さを打ち明ける。

<産業復活への努力>
iidatemura.jpg 村の産業復活への取り組みも気の遠くなるような地道な作業が続く。農業を休まざるをえなかったことで、やせてしまった土地をどうするのか。基本の産業である農業の土地が放射能により汚染され、村の経済への打撃も多大なものがある。線量の影響が少ない室内で野菜を育てたり、花を植えて新たな産業を興したり、アイディアを出し合い、飯舘村の産業を立て直そうという尽力は続く。

 モデル土地を除染し、そこに稲を植え、そこから食べられる米ができた。しかし、風評の被害があり、果たして、飯舘村の米は元のように、売れる米になるのか。農業を続けていくための不安は大きい。「除染して育てて、データを取ったら、食べられるベクトルにまで下がった。その米が、正当に売れる米になるように、そこに国の支援がほしい。放射能の汚染に対しては、長く支援をお願いしたい」と菅野村長は、放射能汚染に対しての長期的な支援を訴えた。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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