実際、2012年にはスペイン、オマーン、エチオピアをはじめ南米チリなどでも効果が確認されている。日本では鳥取砂丘という環境を活かし、鳥取大学の乾燥地研究センターが同様の実証研究で成果を上げ、海外への技術移転にも積極的に取り組んでいる最中だ。
しかも強気のホッフ氏は「このウォーター・ボックスを使い、20億ヘクタールの森林を育てることができれば、現在人類が放出しているCO2をすべて吸収することも可能になる」と豪語する。地球温暖化対策にも役立つというわけだ。「人類が過去2000年の間に伐採してしまった森林を自然の力を利用して取り戻すことが夢だ」と、熱く語る。
似たような技術はカナダの発明家も既に商品化している。カナダのエレメント・フォーという会社は家庭用の造水機を開発し、すでに市場に投入済みである。この造水機の特色はやはり空気中の水蒸気を吸収し浄化した後に飲み水として利用することを可能にしたものである。
「ウォーター・ミル」と呼ばれる造水機で、使用する電力は極めて少ない。一般家庭の壁に装着し、空気中からフィルターを通して不純物を取り除いた後に水を製造する。最近流行しているインフルエンザなどの病原菌もマイクロ波を照射することで殺菌除去する機能も付いているため、単に水を空気から絞り出すだけではなく、大気中に含まれる雑菌や細菌も除去してくれるというので人気が出ている。
<プロフィール>
浜田 和幸(はまだ かずゆき)
参議院議員。国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鉄、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選を果たした。11年6月、自民党を離党し無所属で総務大臣政務官に就任し、震災復興に尽力。現在、外務大臣政務官と東日本大震災復興対策本部員を兼任する。
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