中国本土でたびたび話題となったスマートフォン商標権争い問題。2013年も引き続き、iphoneを販売するアップル社にとっては頭の痛い問題が続きそうだ。なぜなら、"本家"がiphone5Sを発表する前に、またもやiphoneのパクリ版として知られる「GooPhone」が「5」後継機となる「5S」を今月早くもリリースしたからだ。
アップル社は以前、台湾系のIT企業「唯冠科技」の親会社から、「iPad」の商標権侵害で訴えられた。この会社は"本家"アップル社がiPadを発売される以前の2000年に商標登録していて、昨年夏の法廷闘争を経て和解が成立。アップル社としては、和解金48億円という巨額な出費を強いられることになってしまった。
この法廷闘争は中国では語り草になっているという。件の「Goophone」は、GoogleとiPhoneを合わせたようなネーミングといい、アンドロイドのマスコットキャラクターのミツバチといい、パクリの合わせ技のような機種。香港籍のIT会社「GooPhone社」は、「5」も"本家"より先に発売し、商標権も登録したという。iPhone5が発売された当日に、中国版ツイッター・微博に、アップル社を告訴する旨をつぶやいている。しかも、この会社は韓国のサムスンや台湾のHTCなどのパクリ製品も発表している。
昨年秋から、チャイナリスクという言葉をよく聞くようになった。このテの企業を野放しにしていること自体、政府にもかなり問題があるが、モラルなき商標権争いもまた、中国離れを加速させるひとつの要因となるかもしれない。
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