いままではなかなか良い経営をやってきたA建設会社社長が「これでは請負業を閉めるしかない」と悲鳴をあげている。資材・職人の日当の急騰で赤字を余儀なくされているからだ。
第一に生コンの値上げである。組合・アウトロー業者が談合して立米あたり13,500円からの値上げアップを要求しているそうだ。以前は8,500円位の時代があったとか。次に鉄筋の値段。トン当たり5万円台だったのがいまや6万円を超えた。鉄筋工の日当が33,000円していたのが、38,000円までに暴騰したそうだ。
いま幼稚園、保育園の入札がひしめいている。つい先週のことだ。ある案件で、11社が入札に応募したのだが、結果、10社は辞退し1社が2億4,000万円で落札した。仲間内の業者は「6,000万円の赤字を抱える」と囁いている。幼稚園建築には役所の補助金が出る。今月中に着工しないと予算がつかない。今日時点でもまだ入札不調、やり直しを繰り返しているところもあるそうだ。この幼稚園では、2012年の補助金予算を放棄してしまう懸念が濃厚になった。
コスト急騰の背景には次のような背景がある。
A社社長の結論。「施工の段取りができずに赤字を抱えて倒産、廃業する企業が続出するケースが増えるだろう。赤字工事を断る勇気が重要であるが、店をたたむ選択も必要であろう」と本音を語る。
※記事へのご意見はこちら