「筑豊ラーメン山小屋」で知られるワイエスフード(株)(福岡県田川郡)はタイ15店舗を中心にアジアで26店舗を展開している。今後4年間で100店舗を目標に店舗を加速させる。「世界中の人に山小屋ラーメンを知ってもらいたい」という代表取締役社長・緒方正憲氏に話を伺った。
――海外展開の契機となったのはどんなことでしょうか。
緒方 2006年9月にタイに進出したのが海外初出店です。弊社取引先の友人にタイの方がいらっしゃいました。来日した際に、弊社のラーメンを食べて非常に気に入っていただき、ぜひタイで展開したいということになりました。3年間で4店舗を展開し、その経験を元に中国に進出しました。
――中国にも何かご縁があったのですか。
緒方 当社に勤務していた中国人社員の仲介で、店舗を運営する中国企業とライセンス契約を結んだことがきっかけです。海外展開ではオーナー様というパートナーとの信頼関係が非常に重要です。そういう関係を築くことができるかという基準で選定させていただいています。今のところ、このスタイルで成功しています。
――中国での展開は、尖閣問題の表面化後に、日系企業への風当たりが強くなったことが指摘されています。展開に変化はありませんか。
緒方 09年に広東省の深圳市、今年の1月には江蘇省の蘇州市に中国5店舗目を出店しました。昨年、反日デモが激しかった時期は、1週間程度店舗を閉鎖しました。派手な報道が目に付きましたが店舗が襲撃されるなどの被害はありませんでした。売上高は閉鎖時期を含めて前年度の約半分まで落ち込みましたが、徐々に回復してきています。
中国は広いですから、メディアで報じられているようなデモはわずかです。タイ進出の際も、タクシン政権の問題の渦中でした。官邸の前にはバリケードが張ってありましたが、街中は特に何の問題もありませんでした。
まだまだ中国に市場はあると思っていますので、出店していくつもりです。
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