建設業をワンストップで支援する企業を目指す（株）インターウェーブ。経営事項審査のランクアップから技術提案書作成添削、レベルアップCPDS社内研修、工事成績アップから電子納品や完成検査対応までを手がけている。今回は、総合評価落札方式の導入により、価格以外の要素（品質）である技術評価点を用いて算定される評価値で公共工事の落札者が決定する仕組みに着目し、「総合評価ソリューションサービス」を展開することに至った想いについて、同社代表取締役の倉橋利一氏に語ってもらった。

＜総合評価ソリューションサービスの展開へ＞
　（株）インターウェーブは、1997年２月に創立しました。当初はOA機器の販売、工事完成図書などの製本・加工、工事図面の印刷（青焼き）などを行なっていました。そのため、顧客には公共工事の施工をする建設業者が多く、販売とアウトソーシングを行なっていました。しかし、国および地方自治体の財政状況の悪化により、公共工事は縮減の一途をたどり、建設業界の経営環境は非常に厳しいものとなっていきました。弊社の建設業の顧客においては必然的に、経費節減を余儀なくされ、購買意欲が低下し、弊社の売上高にも影響を及ぼしました。

　このとき、建設業者の最大のニーズは「便利な設備機器やサービスではなく、まずはこの厳しい生き残りをかけた受注競争を勝ち抜くことである」と痛感しました。顧客にとって、まずは会社の存続が第一であるのは当然です。これに対して、何らかのご支援ができないかと考えるようになりました。ただ、当時の入札制度は閉ざされた聖域のようで、受注競争力アップのために何をご支援すれば良いのかがわかりませんでした。

　そして05年４月、「公共工事の品質確保の促進に関する法律」の施行にともない、公共工事などの入札は大きな変化を迎えます。「総合評価落札方式」の導入です。これにより、落札者の決定方法が、従来の価格のみで評価する方法から、価格と価格以外の要素（品質）で評価する方法へと変わりました。

　落札者は従来の価格勝負ではなく、価格に加えて価格以外の要素（品質）である「技術評価点」を用いて算定される「評価値」という数値をもって決定される仕組みになったのです。ここで、私はひらめきました。落札者の決定方法が数値化されたことによって、評価する内容が明らかになり、何をすれば何点になるのかが明確に示されたということに。

　「これは建設業者にとってチャンスだ」と思いました。評価項目やその点数が明確になりましたので、具体的な対策を講じることが可能となり、落札を有利にするアドバンテージを築けると考えました。ただ闇雲に頑張るのではなく、自社の弱点を把握するなどして、効率的に有効な施策を実施することができるのです。何よりこの入札方式では、技術評価点が高ければ高い入札価格で落札できるため、利益に直結するのです。よくお客さまと「この１点は○○○万円」なんて話になったりします。

　総合評価落札方式においてアドバンテージを築くことは、落札を有利に進めることだけでなく、本質的な技術力アップにつながります。そのため、施工における品質向上はもちろん、安全性向上や業務効率改善などにも有効です。これがコストダウンにもつながり、利益にも貢献するでしょう。こうして弊社は、受注競争力（技術力）アップのご支援として、「総合評価ソリューションサービス」を展開し、現在に至っています。

｜　（中）　≫

＜COMPANY　INFORMATION＞
所在地：鹿児島市下荒田3-43-6
福岡支店：福岡市博多区博多駅南1-3-11
設　立：1997年２月
資本金：8,000万円
ＴＥＬ：099-206-3113（本社）、092-474-6050（福岡支店）
ＵＲＬ：http://www.i-wave.co.jp/

※記事へのご意見はこちら