福岡市の中小機構九州セミナールームで18日、中国で販路開拓を目指す企業に向けた「中国市場セミナー・販路開拓ワークショップ」が開催された。第一部の「中国市場セミナー」では、日本貿易振興機構(ジェトロ)広州事務所、塚田裕之所長が「中国経済の現状と日系企業の動向」をテーマに講演、中国ビジネスの現状について語った。
今回セミナーで紹介されたのは、中国・広東省の経済状況。広東省は中国の南端に位置する省で、省都・広州市は福岡市の友好都市にもなっている。80年代から日本の電気電子企業が進出し、以後、自動車関連産業や生活サービス産業などの分野でも、日本企業が参入している。産業は大きく2つに分けられ、1つは自動車産業・サービス産業を中心とした「内需型産業」、もう1つは電気電子産業を中心とした「外需型産業」だ。
「内需型産業」では、広東省が経済的に豊かな地域であることから、富裕層向けの飲食店や美容院、流通などの進出が活発で、日本のサービス産業の進出もこれから本格化する見通しなのだとか。さらに、広東省が中国最大の自動車消費地であるとともに最大の生産基地でもあることから、自動車産業の生産拡大も見込まれるという。
一方、「輸出型産業」では、電気電子産業が強く、加工貿易が盛ん。近年、人件費の上昇や人材の面でなかなか人が集まらないなど、課題も浮上しているというが、広東省には世界有数の部品のサプライヤーチェーンの蓄積があることから、実際に撤退する企業はほとんどないのだという。
広東省は1人あたりのGDPが中国全体の水準を大きく上回っていることや、1人当たりの支出が多いことから、旺盛なマーケットだと言えるという。ジェトロ広州事務所でも、「中国国際中小企業博覧会」や「広州交易会」、「日系自動車部品展示会@広州モーターショウ」「広東ジャパンブランド」などの催しを開き、日本企業の中国進出を支援している。
ジェトロでは、中国はもちろんのこと、その他海外各国への進出を目指す企業に向けてもセミナーや相談対応、情報の発信などを行なっていて、海外でのビジネス展開を考える企業は、情報収集も兼ねて、参考にしてみても良いかもしれない。
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・日本貿易振興機構(ジェトロ)HP
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