「筑豊ラーメン山小屋」で知られるワイエスフード(株)(福岡県田川郡)はタイ15店舗を中心にアジアで26店舗を展開している。今後4年間で100店舗を目標に店舗を加速させる。「世界中の人に山小屋ラーメンを知ってもらいたい」という代表取締役社長・緒方正憲氏に話を伺った。
――海外展開は、どのような形態ですか。
緒方 現地のオーナー様とのFCで展開しています。麺やチャーシュー、餃子などは、現地生産のため、小規模な工場をつくってもらいます。日本から輸出すると非常に原価が高くなってしまうからです。ただし、タレに関しては、ラーメンの味の根幹を担う大事なものですから、弊社から供給します。収入は、タレ代とロイヤリティ料という形になります。現在の海外での店舗は、すべて同様の形態で展開しています。
――海外で苦労することは何ですか。
緒方 やはり言葉です。フィリピンではタガログ語しか通じないなど、現地スタッフは現地語しか話せないケースがほとんどです。弊社スタッフも喋れるわけではありません。技術・サービスを教えても伝わりにくく、言葉の壁がありますね。
身振り手振りで教えたり、中国であれば、筆談をする、携帯電話を使用し通訳のアプリで現地語に翻訳したりと悪戦苦闘しています。
――日本食の海外の評価はいかがでしょうか。
緒方 高いと思います。寿司屋は早い段階で海外に出ていき、有名になりました。日本食を手掛ける企業の海外進出は増えていますから、チャンスはあると思います。実際、ラーメンやカレー業界の海外進出が増えているように思います。
パンにしても、他のアジア諸国より、日本のパンの方がもっちりとしていて美味く、同じ食材でも、日本のものの方がおいしいと評価を受けています。日本食は世界的に見てもレベルが高いということに、だんだん気づき始めていると思います。ですから、積極的に日本のイメージを打ち出した方が、売上が上がる可能性は高いと思います。
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