建設業をワンストップで支援する企業を目指す(株)インターウェーブ。経営事項審査のランクアップから技術提案書作成添削、レベルアップCPDS社内研修、工事成績アップから電子納品や完成検査対応までを手がけている。今回は、総合評価落札方式の導入により、価格以外の要素(品質)である技術評価点を用いて算定される評価値で公共工事の落札者が決定する仕組みに着目し、「総合評価ソリューションサービス」を展開することに至った想いについて、同社代表取締役の倉橋利一氏に語ってもらった。
<総合評価落札方式で重要な要素>
総合評価落札方式では、入札価格が予定価格以内で、評価値が最も高い者が落札者となります。評価値は、技術評価点を入札価格で除して算定します。したがって、技術評価点を上げることが必要なのはご承知のとおりです。技術評価点を上げるうえで重要なポイントがあります。まず、配点ウェイトが高い評価項目の点数を上げることが重要でしょう。
技術評価点の配点では、技術提案(簡易な施工計画)と工事成績の2つの項目がとくに高いウェイトを占めます。工事成績(工事成績評定)は、企業の施工能力と配置予定技術者の能力の両方で評価項目になっているとともに、高い工事成績の現場でないと表彰の土俵に上がれませんので、表彰にも関与しています。
国土交通省では、全体の6割の点数を技術提案(簡易な施工計画)と工事成績が占めることも少なくありません。したがって、技術提案(簡易な施工計画)と工事成績の点数を上げることが最優先の対策であるといえます。しかしながら、工事成績は、過去数年の成績の平均値で評価しますので、短期的に上げることは不可能です。ちなみに、そのほかの多くの評価項目でも過去の実績に基づくものがほとんどで、今すぐどうにかできるものではありません。そのため、今すぐできる効果的な対策は、技術提案(簡易な施工計画)の点数を上げることになります。
<技術提案書作成のスキルアップ>
技術提案(簡易な施工計画)では、発注者が定めた課題に対して技術提案書によって技術や工夫を提案するわけですが、標準仕様を超える提案をしなければ評価されません。ただし、過度な提案(オーバースペック)は評価されません。何より、発注者の意図(課題の意義)をしっかりと捉えていることが重要となります。よくある根本的な間違いがあって、ただの技術説明になっているというものです。技術提案は営業提案と考えるのがよいでしょう。
また、その現場の環境や工事特性を踏まえた提案である必要がありますので、技術提案のための的確な現地調査をすることが重要です。もちろん、読む人に理解されなければ土台評価はされませんので、表現や構成などの文章テクニックも必要でしょう。
弊社では、公共工事品質確保技術者(発注者とともに技術提案の評価を行なう民間委員)をはじめとする専門コンサルタントによる研修や添削指導など、技術提案書作成のスキルアップを図っていただけるサービスをご提供しています。
<COMPANY INFORMATION>
所在地:鹿児島市下荒田3-43-6
福岡支店:福岡市博多区博多駅南1-3-11
設 立:1997年2月
資本金:8,000万円
TEL:099-206-3113(本社)、092-474-6050(福岡支店)
URL:http://www.i-wave.co.jp/
<プロフィール>
倉橋 利一(くらはし・としかず)
1967年3月生まれ、鹿児島県姶良市出身。85年鹿児島工業高校卒業後に入社した富士ゼロックス(株)で、89年第1回目全国セールスコンテストにおいてトップセールスを記録。その後、元上司とともに97年2月、現在の(株)インターウェーブの前身会社を設立。公共工事中心の建設業に特化したセミナーを全国で開催するなど、建設業界発展のために精力的に活動している。
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