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樋渡啓祐氏「「ありがとう」という言葉を言われる人間になる前に、「ありがとう」が言える人間になって」~武雄市長物語より(69)
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2013年3月22日 10:34

 NET-IBでは、SNSやブログで情報発信を行なっている佐賀県武雄市長・樋渡啓祐氏のブログを紹介している。
 今回は、武雄小学校卒業式で挨拶を行った様子について掲載している、3月19日午後11時34分のブログを紹介する。


「ありがとう」という言葉を言われる人間になる前に、「ありがとう」が言える人間になって

今日は、武雄市内の小学校の卒業式。武雄小学校は今、改築の真っ最中。プレハブの臨時校舎で迷惑をかけているみんなに、せめてもと思って、武雄小学校の卒業式に臨みました。今朝、卒業式に参加する直前まで推敲を重ねました。いつものノー原稿です。

小学生に語りかけるのは、最も難しいけど、伝わっているかどうか、表情を見れば瞬時に分かります。今日、僕の思いが伝わっていれば良いんだけど。

では、今日の挨拶です。良かったら,ご覧ください。

*******************************
卒業生の皆さん、おめでとうございます。そして、保護者の皆さん、おめでとうございます。

私はこの武雄小学校が好きで、君たちが1年生の時からたびたび訪れて、皆さんたちがすくすくと成長していく姿、本当にうれしく思いますし、保護者の皆さんにとって、今日は格別な喜びだと思います。

さて、先日、世界の野球大会「WBC」がおこなわれました。日本は準決勝で惜しくも負けてしまいましたけれども、あの台湾戦の日に、一人の日本人がツイッターで、「2年前の東日本大震災の時に、とっても台湾の人たちにお世話になった。大震災の翌日に、多くの台湾の人たちが東北に駆けつけてくれた。世界で一番お金を集めてくれた人たちが台湾の人たちでした。その額は200億円です。その感謝の言葉を、大会の時に会場で現そう」という呼びかけが行われました。台湾戦当日はテレビでも流れましたよね。会場で、私たち日本人が、「台湾の皆さん、ありがとう」「台湾の皆さん、謝!謝!」あちらこちらにプラカードが溢れていました。

しかし、驚いたのは、その先です。多くの台湾の皆さんが、「日本、がんばれ」「東北、がんばれ」「日本、ありがとう」というプラカードを持たれていました。

この「ありがとう」という言葉は試合会場を超え、テレビの向こうの日本の人たち、台湾の皆さん、そう、瞬時に世界中に広がりました。2年前の大震災で、台湾が大きな力になってくれたことを知らなかった人もいるでしょう。知っていても忘れていた人も多いかも知れません。私もその中の一人です。

でも、2年が経っても、遠い遠い外国の人たちにも、「ありがとう」の一言で、全てが伝わるのです。しかしね、「ありがとう」と心で思っていても、言葉にして伝えなければ意味が無いと思います。

そこで、みんなにお願いです。この「ありがとう」と言われる人間になる前に、「ありがとう」が言える人間になってください。

この「ありがとう」と言われる人間になる前に、「ありがとう」が言える立派な大人になってくださいね。

今日、君たちはこの小学校を巣立っていきます。君たちが家に帰った時に最初に「ありがとう」と言う人を思い浮かべてください。

前途ある未来に向かう君たちを精一杯応援することをみんなに約束して、私の祝辞といたします。重ねておめでとう、そしてありがとう。

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樋渡氏のブログはコチラ


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