<高島市長「国へ集約化を求める」>
物流の需要に対して、博多港の整備が遅れているのではないだろうか。21日、福岡市議会予算特別委員会で、同港の整備計画について高山博光市議(城南区)が質問した。港湾局長の答弁によると、同港のコンテナ取扱量は、2011年度85万568TEU、12年度は速報値で84万9,333TEU。
12年度の取扱量が前年度から1,235TEU減少したことについては、「低調なヨーロッパ経済の影響」と説明。同港のコンテナ取扱量は、現実的処理を考えると90万TEUが上限であり、11、12年度の取扱量はその94%前後におよぶ。
市港湾局は今後、博多港のコンテナ取扱量を2年後の15年に100万TEU、9年後の22年に130万TEUにしていく方針で整備を進めていくという。この計画について高山市議は、近隣にある韓国・釜山港が12年度、82万TEUも前年度から増加している点から、長期的計画をもって迅速に行なうよう求めた。案の1つとして示されたのは、アイランドシティー市5工区(94.6ha)のコンテナヤード化である。市5工区は現在、「まちづくりエリア」に指定されており、その一部が創エネ・省エネ型都市のモデル事業「CO2ゼロ街区」として昨年10月末にオープンしたものの、ほとんどの敷地がまだ空いている状況だ。
博多港整備に関して、高島宗一郎福岡市長は、博多港を含む10港が、国から『国際海上コンテナの日本海側拠点港』に指定されていることにふれ、「博多港への集約化を国に求めていく」という考えを示した。釜山港は11年度で約1,600万TEUのコンテナを取り扱っている。しかし、そのレベルに至ったのは、金大中大統領(当時)が1997年、物流経済への注力を打ち出してから15年ほどのこと。国家戦略的視点から、日本海側拠点港の集約化についての議論が必要のように感じる。
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