労基署に問い合わせたところ「違法性や遵法意識に照らして個別に判断し、今回は書類送検が適当と判断した」としている。換言するならば書類送検されなければならないほど程度がはなはだしいものだった、ということなのだと思われる。そして、その残業に関しても正当な対価を得られていない状態が常態化していたのならば、地域トップ企業としての意識が低いと言わざるを得ない。金融機関には企業の規範となるような姿勢を見せてもらいたいものである。
労基署は経緯を明らかにしなかったが、とにかく何らかの情報を得て調査を開始した結果、送検が適当と判断するに至ったとしている。もし、その情報源が内部告発によるものだったとすると、仕事に対するモチベーションの低下が指摘できよう。
サービス残業をすることは実社会ではよくあることだ。しかし、それに対して立腹するケースは、そうはない。というのが、仕事に対する誇りや仲間意識から、問題が表面化することが少ないのである。時給で働いていない限り、いいか悪いかは別にして、そういう傾向にあることは間違いない。それが表面化するということは、相当程度、組織に対してネガティブな感情を持っていることが推察できる。
組織的な問題があるのならば、これを機に抜本的に見直してほしいものだ。熊本の経済を支える地銀であればこそ、前向きな姿勢を見せてほしい。
また、この件と関係あるかはわからないが、昨年、人命に関わる出来事があったと言われている。その件に関して肥後銀行側は「個別の案件に対してはコメントできない」と回答しているが、こちらも事実の確認がとれ次第、レポートしていく。
熊本の金融機関の雄である肥後銀行。金融機関は経済の主役の1人である。まずは自身を健全に、働き甲斐のある環境の創造に努めてほしい。
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