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外資2強、対日攻勢を強化~コストコ、22日北九州店開業(前)
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2013年3月26日 14:20

 ウォルマート・ストアーズとコストコ・ホールセールの米国流通2大手が、日本市場で攻勢を強化している。昨年度、3年ぶりに出店を再開したウォルマート傘下の西友は、今期5店を出店する。コストコは22日に開業した北九州倉庫店を含め、今年、過去最高の5店を出す。背景には、米本社の業績が好調なことや、日本市場では低価格指向が根強く市場拡大の余地があるとの判断がある。仏カルフール、英テスコが撤退し、食品・日用雑貨の流通外資はこの2社に絞られそうだ。

<日本語名の新PB>
seiyu.jpg 西友・サニーの売場で昨年末から、「みなさまのお墨付き」「きほんのき」と日本語名の耳慣れないブランドの商品が並ぶようになった。西友のプライベートブランド(PB)で、「みなさまの」はしょうゆヌードルとカップ焼きそばが85円、濃縮還元アップルジュース1リットル138円、アイスコーヒー同97円などと、隣に並ぶナショナルブランド(NB)より1~2割安い。

 西友のPBは、ウォルマートと同じ「グレートバリュー」だった。あえて新ブランドの商品を開発したのは、グレートバリューがNBの廉価版になりコンセプトがあいまいになっていたとの反省からだ。豆腐や漬物といった和日配まで英語表記のグレートバリューを付け、イメージも統一されていなかった。
 開発に当たっては、これまでにない手法を取り入れた。商品は、第3者機関に依頼した消費者モニター100名以上に味、価格、量などを評価してもらい、4段階評価で上位の「非常に良い」「良い」との回答が7割を超えたものだけ採用した。
 「みなさまの」は食品約100品目でスタート、2013年中に400品目に拡大する。包装などを簡素化した低価格の「きほんのき」は穀物酢や料理酒など22品目で始め、年内に100品目に増やす。新PBの発売にともない、グレートバリューは段階的に縮小する。

 親会社のウォルマートが子会社の独自PBを認めるのは異例とされる。ウォルマートは、これまでも西友が自社とセゾンのクレジットカード利用客を対象に月2回、5%を割り引くサービスを導入した際も、EDLP(毎日低価格)にそぐわないとして難色を示したと言われる。

<西友の足元業績は低調>
 ウォルマートは店づくりでも西友の独自性を尊重し始めている。昨年11月、東京都府中市にオープンした府中四谷店。ウォルマート本社指定の黒色の陳列棚ではなく明るいシルバー色を採用、床材の材質や壁面材の色も変え、LEDを採用し照明方法を一新した。通路も1.8mから2.2mに広げた。「暗い」「見にくい」「狭い」と言った買い物客の声に応えたもので、モデル店舗と位置付け今後の新店舗に導入していくという。

 ウォルマートは権限が本部に集中する中央集権システム。西友に独自の取り組みを認め出したのは、同社に出資してから約10年、日本市場の独自性を理解し現地に一定の自主性を任せた方が得策と判断したためと見られる。日本語名のPBの採用はその象徴とも言える。
 低価格をテコに回復基調にあった西友の業績にも陰りが見える。12年12月期は0.5%増と4期連続の増収だったものの、10~12月期は前年同期比0.9%減で、既存店は1.5%減。四半期としては7~9月期の1.8%減(既存店は1.9%減)に続く落ち込みだった。流通企業が重視する既存店客数は7~9月期の1.7%減から1.8%減に拡大した。

 西友は昨年6月からNBの値下げを延べ3回、計約2,300品目にわたって実施。にもかかわらず、客数の減少に歯止めがかかっていないのは、イオンやイトーヨーカ堂などの大手が追随、低価格イメージが薄れたためだ。売上が想定を下回ったため、7~9月期の営業利益はわずかだが赤字に転落、10~12月期も前年同期比でやや減少したとされる。

(つづく)
【宗像 三郎】

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