きょう(27日)、調査報道サイト「HUNTER」は、福岡市特別顧問の民間会社社長・後山泰一氏が、自社の取引企業が選ばれた業者選定において選考委員を務めていたことを報じた。
後山氏は現在36歳。九州北部を中心に発行されていたフリーペーパー「アイビジョンプレス」の元編集長のほか、2010年に福岡パルコの開業の際、「福岡パルコみんなの宣伝部」編集長として同店のPRプロジェクトに携わった人物として知られている。高島市長のブレーンとして選挙前から関わり、現在は福岡市特別顧問として広報戦略アドバイザーを務めている。
また、後山氏は、市の顧問を務める前から(株)ファクト(本社:福岡市中央区)の代表取締役として、広告代理業のほかコンサル業を行なう企業経営者として活動している人物でもある。後山氏には、弊社特別取材班が福岡市役所1階ロビーの改装工事を巡り、直撃取材などを行なった。
後山氏が歴任してきた編集長という仕事は、様々であるが媒体の長として接待費をはじめ様々な特権を与えられるケースもある。また、雑誌の顔として、有名人、著名人らとの接触の機会も多い。なかには周囲にチヤホヤされることで、残念ながら勘違いをする(のぼせあがる)人物もいる。
後山氏が前述のような編集長だったのかといえば、それはわからない。だが、未公表資料だった「都市認知度調査」を個人的に持ち出し、自身の講演先で披露し、さらに講演のなかで「佐賀だったらカワイイ区のイメージはつかない」といった他県を卑下する発言を公の場で発した振る舞いには、一部の人間でしか知り得ない情報を公の場でひけらかすことで、"自分の凄さを知らしめたい"といった我欲がうかがえる。のぼせあがりの行く末が情報漏えいと失言につながったのではないか。
HUNTERの記事によると、後山氏の取引先企業が選ばれた業者選定で選考委員を務めていたのは計3回。3件とも福岡市中央区に本社を置く同一の外資系広告代理店が業務委託先に選定されており、いずれの選定でも後山氏が選考委員もしくは選定委員を務めていたという。なお、弊社取材によりこの外資系広告代理店は、過去に後山氏の会社との間で取引があったことを認めている。よってHUNTERの指摘は間違いない。はたして、評価方法や予算についての情報漏えいはなかったのか――。HUNTERの今後の報道が注目される。
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