ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

クローズアップ

階段昇降機から「ユニバーサル」を追求~(株)MEQ・高野誠也代表
クローズアップ
2013年3月28日 17:00

 商業施設や公共施設で目にする機会が増えている階段昇降機。福岡県春日市の(株)MEQ(メック)は、国産製品を中心に九州一円で販売およびメンテナンスなどを行なっている。近年、「バリアフリー」や「ユニバーサルデザイン」といった言葉を耳にする機会が増えるなか、同社が取り扱う製品はどのように普及し、どのような利用者の声を受けているのか。同社代表取締役の高野誠也氏を取材した。

高野誠也氏.JPG 階段昇降機は、段差を昇り降りするのが困難な人のために、既存の階段などに外付けされる。いす式のほかに車椅子用もあり、床が上下する段差解消機など、さまざまなニーズに対応できるほどバリエーションは豊富。高野氏によると、歴史ある建造物が住宅に多いヨーロッパでは、エレベーターの設置といった大掛かりな工事を避けるために後付けで済む階段昇降機の普及が進んでいるという。とくに、イギリスでは体重で足腰を痛めやすい人への予防策として、積極的に国が設置費などへの助成を行なわれているとのこと。

 高野氏がMEQを設立したのは2006年7月、創業は2000年1月である。国産の階段昇降機を製造する大同工業(株)の社員であった高野氏は、大阪から西日本への営業を担当していた。健康状況が悪化した両親の看病のために退社し、九州へと戻っていた高野氏だが、九州における階段昇降機の販売・メンテナンスの依頼を受けて起業する運びとなった。
 社名は「Move(動線)・Energy(熱意)・Quality(品質)」を意味する。そこには込められているのは、人の「動線確保」をテーマに、「熱意」をもって、最高の「品質」でお届けしよう、という理念だ。そして同社には、「昇り降りが楽になった」「普通の生活に戻れた」など、利用者から数多くの喜びの声が寄せられている。

エスコートスリム.jpg MEQ躍進のきっかけは2002年、全国では初となる小倉城(北九州市)の設置であった。末吉興一市長のもと、高野氏は同市職員とともに前例のないことを敬遠する行政の壁を突破した。エレベーターやエスカレーターと違い、歴史的建造物の景観を壊さない階段昇降機は当時まだ珍しく、その後、全国各地から問い合せが来るようになったという。
 「私は、障がいがある方や足腰が不自由な人への『バリア』という認識があることに疑問を感じています。だから、すべての人が一緒に暮らせる『ユニバーサル』と追求したい」という高野氏。同社の階段昇降機は個人宅への設置も多い。昨年11月から販売されている新商品の「エスコートスリム」(大同工業)は、レール幅7.6cm、いす折りたたみ幅25cmと一段と薄いデザイン。未使用時に階段を行き来する際も支障とならず、ともに暮らす家族の快適と安心を追求している。

 ある障がい者の自宅に施工した時、「おかげで外出できるようになりました。しかし、私たちがいなくなったら、この子はどうなるんでしょう」という両親の声に高野氏は衝撃を受けた。「今の仕事は対処療法に過ぎない。これから超高齢化社会を迎えていくなかで生きていく人たちのための『ユニバーサル』を実現しよう」。そう悟った高野氏は今、社会貢献へつながる新事業を検討しているという。高野氏の熱意と挑戦に期待したい。

【山下 康太】

<COMPANY INFORMATION>
株式会社MEQ(メック)
代 表:高野 誠也
所在地:福岡県春日市岡本1-118
TEL:092-593-5037
FAX:092-593-5038
URL:http://www.meq.jp/
E-mail:info@meq.jp


※記事へのご意見はこちら

クローズアップ一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル