4月1日、コカ・コーラウエストは南九州コカ・コーラボトリングを株式交換で子会社化する。
同社は、1999年以降各地のボトラーに先駆け、山陽コカ・コーラボトリング、三笠コカ・コーラボトリング、近畿コカ・コーラボトリングと経営統合を進めてきた。規模的にも営業エリア的にも国内随一のコカ・コーラ系ボトラーだ。
今回の子会社化により熊本、大分、鹿児島、宮崎がエリアに入り、近畿・中国・九州全域がカバーされる。元来、日本コカ・コーラカンパニーとFC契約する各地のボトラーは資本構成も歴史も異なり、統合は容易ではない。
日本コカ・コーラグループは永く清涼飲料業界の盟主にあるが環境は厳しい。消費者ニーズが多様化するなか、炭酸飲料はお茶、ミネラルウォーター、野菜ジュースらに脅かされている。同社グループも「い・ろ・は・す」や「爽健美茶」「綾鷹」などが健闘するが、コーヒー飲料トップ「ジョージア」も他社の猛追を受けている。加えて、コーラ市場にサントリーとキリンがトクホを取得して参入し大ヒットを飛ばしている。
コカ・コーラウエスト社は今日を見据えていたのか、先述の相次ぐ経営統合だけでなく青汁のキューサイの子会社化にも踏みきった。本業外への進出には買収額を含めて賛否分かれたが、グループの売り上げ確保に貢献した。南九州コカ社統合後の売上高は4,500億円を超える規模になる。
だが、業界全体のパイが減る。人口減が間近に迫り、コンビニカフェなど同業以外の競合が出現。4兆5,000億円の市場規模が減少へ転じるのは必至だ。
こうしたなかで、今年7月には関東地区の主要4社が経営統合に踏み切る。コカ・コーラセントラルジャパン(神奈川県)を存続会社に、東京コカ・コーラボトリング(東京都)、三国コカ・コーラボトリング(埼玉県)利根コカ・コーラボトリング(千葉県)を統合。同時に社名をコカ・コーライーストに変更する。統合後は一気に売上規模5,700億円。ウエスト社を抜き国内ボトラートップに躍り出る。
統一の営業戦略が出せるが、ウエスト社の例を見ても、最も効果が期待されるのは合理化だろう。他飲料メーカーのように海外進出でシェアを拡大できない以上、体力強化で収益構造を強化しておかねばならない。
統合により東西に有力ボトラーが生まれるが、将来的にはこの2社、あるいは両者の統合の可能性もある。
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