福岡市職員がまた、飲酒に絡む不祥事を起こした――。
博多臨港署は3月29日、飲酒運転による物損事故を起こしたとして、酒気帯び運転の疑いで博多区役所総務企画課勤務の山尾博志容疑者(54)を逮捕した。本人は容疑を認めているという。
調べによると、山尾容疑者は27日の夕方から28日深夜、自宅で焼酎1リットルを茶などで割って飲み、東区志賀島にワカメを採りに自宅を出て、その帰宅途中に事故を起こした。山尾容疑者の車は片側3車線の道路の中央分離帯に衝突し、乗り上げてから反対車線を20メートルほど走って停車したという。大惨事に発展する可能性は低くはなかった。
一方、福岡市教育委員会は、昨年12月2日にパトカーを蹴ったとして公務執行妨害の疑いで逮捕されていた市立小学校の男性用務員(40)を3月28日から停職3カ月の懲戒処分とした。市内の不動産店内で大声を出し、仲裁に駆け付けた警官が職務質問のために男性をパトカーに乗せようとした際、パトカーを蹴った。少し酒に酔っていたとされている。
相次ぐ飲酒に絡む事件に関して市民は怒りの色を隠さない。福岡市では昨年2月、同市消防職員が盗んだ車で飲酒運転をして逮捕されて以来、飲酒に絡む不祥事が多発。昨年5月から1カ月間、高島宗一郎市長は全職員に自宅外禁酒を要請した。「禁酒令」と言われたこの措置には、「市長のパフォーマンス」との声もあがり、賛否両論であったが、またしても起きた飲酒不祥事に「禁酒令」の効果を疑う声は強まった。
NET-IBでは、「"自宅外"における飲酒が暴行の大きな要因ではない。酒癖の悪い人間ならば、自宅で酔って家族や近隣の住人などに暴行することもあるだろう」(記事より引用)として、当初から「禁酒令」を疑問視していたが、山尾容疑者の一件は、正に自宅での飲酒が起因。「禁酒令」が問題の本質から外れた対応であったことを浮き彫りにしたと言えるのではないだろうか。
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