防水工事業として創業後、福岡県糸島市へ本社を移すとともに地域密着型企業として、太陽光発電の販売施工を中心に精力的な営業展開を行なう(株)九州住建。拡大する市場と増え続ける企業のなかで、笠俊治代表の見据える今後の展望を聞いた。
<地域とともに歩む環境ビジネスを展開>
――自然エネルギーの今後をどのように見ていますか。
笠 太陽光の発電量は急速な伸びを見せており、自然エネルギーに対して後押しする経営環境も整いつつあると思います。長期的に見て、これまで頼ってきた原子力発電に頼らずとも、必要十分な発電量を確保できる体制は国としても整えていかなければなりません。
良い環境商材というものは、普及のスピードが速く、需要に対する必要量も多大なものとなります。政策・制度という後押しを活用しながら、皆が良い物を扱う状態をつくることができれば、お客さまとメリットを共有できる機会も多くなるでしょう。
――今後のビジネス展開について教えてください。
笠 先ほども申し上げた通り、自然エネルギーの市場規模は広がっています。ただ、近年展開が進められている産業用太陽光発電、とくにメガソーラー規模の事業は企業の資本力も問われるところであり、弊社の進出は難しいと考えています。
そこで、太陽光発電だけでなく、間違いなく発展していくであろう「環境」という大きな括りへ視野を広げる必要があります。いまや環境商材は数多くあり、そのなかでお客さまにとって将来的に必要となるものはどれなのか、見極めていかなければなりません。
おかげさまで、弊社はメーカーから優良な販社として、多くの表彰をいただくことができています。商材への需要が減っても、販社としては取り扱うものを変えれば済みます。ただ、メーカーは生産者として求められる次の商材を生産していかなければなりません。
メーカーから実績による信頼を勝ち取ることで、太陽光発電に続く次の商材を優先的に扱え、そこにビジネスチャンスが生まれます。単なる企業間・消費者相手の仕事としてではなく、人と人の信頼関係、思いやる気持ちを持って経営を行なうことが、地域に根付く企業として認められることにつながると信じています。
――本日はお忙しいなか、ありがとうございました。
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<COMPANY INFORMATION>
(株)九州住建
所在地:福岡県糸島市前原東1-6-3双栄ビル1F
資本金:1,000万円
TEL:092-332-1231
URL:http://q-j-k.co.jp/
<プロフィール>
笠 俊治(りゅう しゅんじ)
1972年、福岡市早良区生まれ。西福岡高等学校中退後、防水工事企業に就職。共進防水の屋号を掲げて02年に独立。07年に(株)九州住建として法人化。地域の役員を7年間務めるなど、地域活性化のためにも尽力している。
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