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脱原発・新エネルギー

すべての原発労働者の救済めざし集会~原発労災提訴1周年
脱原発・新エネルギー
2013年4月 1日 11:50

 島根原発と敦賀原発の定期検査に従事した元原発労働者、梅田隆亮さん(78)が労災認定を求めて福岡地裁に提訴してから1年が経ったことを記念して、裁判勝利とすべての原発労働者の救済めざす集会が3月30日、福岡市内で開かれた。支援者ら約100人が参加し、内部被曝の危険性や被曝労働の実態を学び、「これは人権裁判だ」との思いを強くした。

0330_1.jpg 梅田さんは、「原発労働、とくに下請け労働者の労働実態は、過酷で劣悪極まりない。放射性物質の危険は誰も教えてくれなかった」と、1979年当時の状況を語った。放射線管理区域内でマスクを着けずに作業するなど、大量に内部被曝し、腹痛や吐き気、鼻血などの急性症状を発症。長崎大学病院でホールボディカウンターによる測定検査を受けたところ、コバルト、マンガン、セシウムなどの放射性核種を検出した。2000年に心筋梗塞を発症し労災申請したものの、国が不支給を決定したので、12年2月に提訴した。
 梅田さんは「30年経った今も(被曝労働の実態は)全く変わっていない」「福島原発事故の収束にあたっている下請け作業員の安全が守られていない」と怒りを込めた。「原発労働者への安全対策をないがしろにした国への警鐘にしたい。原発労働で健康被害を起こした方々を救済する道筋をつけていきたい。健康に不安があるが、負けるわけにはいかない」と訴えた。
 集会では、医師の小西恭司氏(福岡医療団理事長)が講演し、低線量被曝と内部被曝の特徴を明らかにするとともに、「梅田裁判とともに、脱原発を求める国民と原発作業員が廃炉に向けて共同するためには、原発作業員の健康をはじめ人権を守る取り組みに立ち上がる必要がある」と強調した。
 北九州ホームレス支援機構の奥田知志理事長が「沖縄基地も戦争も原発も構造的問題、構造的差別だ。誰かを差別しないと存在できない。その構造を支えてきたのは、固定化された貧しさ、格差だ」と述べ、原発労働で被害を受けた人の第一番目のたたかいとして勝ち抜いていきたいと挨拶した。
 弁護団や支える会の代表、集会参加者らが発言し、「原発労働者の生存権、健康権が脅かされている」「国は原発労働者が悲惨な状態で働いていることを隠している」「同じように被曝して健康被害にあった原発労働者を掘り起こそう」などと訴えた。
 原発労働者はのべ54万人と言われる一方、放射線被曝による労災認定は11人にとどまっており、被曝により病気になって苦しんでいる元原発労働者は数多く存在しているとみられている。

 原発労災梅田事件弁護団は4月13日、「原発労働110番」(電話相談)を設置し、原発労働を経験し健康に不安を持っている人の相談に無料で応じる(秘密厳守)。電話番号092(642)8525。相談時間は、午前10時~午後4時。弁護団では「原発で働いていた時期、期間、場所にかかわりなく、健康に不安を持っている方は相談してほしい」と呼びかけている。

【山本 弘之】


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