<先見の目もあり 明太子からめんべいへ>
同社の2012年12月期の売上高は、単体で100億円強、グループ全体で150億円程度と見込まれている。12年12月期に初めて売上高100億円を突破することになる。その内訳は、油・業務用食材で約56%、明太子・めんべいで約27%、残りの約17%が飲食部門や温泉施設となる。明太子・めんべいが有名となり、主要事業の柱として成長した現在でも、業務用食材事業が売上高の半分以上を支えている。明太子とめんべいの売上高はほぼ同程度で、各約13%、つまり約13億円となる。
博多の名産品として明太子販売が好調だった時期、「いずれ明太子が売れなくなる」と山口専務が予想して他の商品づくりを始めたのが、めんべい開発の第一歩となる。生モノの明太子が売れなくなるならば常温で日持ちする商品がいいと予想し、試行錯誤を繰り返し、めんべいが誕生した。
発売から12年目となっためんべいであるが、CMを一切打たず販売を着実に伸ばし、ヒットにつなげている。12年前は化粧箱入りの明太子も売れており、明太子の販売は好調だった。しかし、リーマン・ショック後となる08年12月に地場明太子業者が倒産し、業界に大きな衝撃を与えた。消費不況で明太子を買わない消費者が増えたうえ、原卵の仕入れによって借入金が多くなりがちな明太子業者は多く、業界全体として厳しい状況になっていた。
同社の場合は、明太子の「生モノで日持ちがしない」という弱点に早々に気づき、弱点を克服した商品づくりに精を出していたことが奏功した。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:山口 毅
所在地:福岡市博多区那珂6-27-16
創 業:1909年3月
設 立:1955年1月
資本金:1,000万円
URL:http://www.fukutaro.co.jp/pc/
データ・マックスでは、4月17日に同社専務取締役山口勝子氏をまねき、"「めんべい」に学ぶ ヒット商品の創り方"と題しセミナーを実施いたします。
※記事へのご意見はこちら