独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は先週、北九州市沖約1.4kmの海域に定格2,000kWの洋上風車(着床式)設置が完了したことを発表した。
NEDOによると、2013年3月から千葉県銚子沖で沖合約3km水深約11.9mの海域に設置した、沖合に建設された国内初の洋上風力発電設備(出力2,400kW)にて実証実験が開始されている。この度は、日本海側で初の実証実験となる。「今後は各種試験を行い、6月中に発電を開始する予定です」とNEDOは表明している。
その内容について、「既に実施中の洋上風況観測システムによる洋上風況特性の研究(2012年10月観測開始)と並行して、実際に洋上風車で発電した電力を陸上に送電することで、風車の信頼性や継続的に発電を行うために不可欠なメンテナンス技術など、沖合洋上風力発電の導入普及に必要な技術の確立を目指します」としている。
国内では茨城県神栖市の「ウィンド・パワーかみす洋上風力発電所」など、洋上風力発電設備が港湾や海岸線沿いに設置され稼働している。
関係者は、「我が国の海洋面積は4,479,358 m2で世界6位。設置環境のみで述べれば適していると言える。一方で、洋上風力発電の建設によって海洋生物の生息環境が失われるほか、渡りをする鳥類や回遊生物の移動阻害、バードストライク、海洋環境の悪化などの問題が指摘されることもある。また詳細に経済性及び実用性をチェックするなど、本格稼働までには様々なハードルがある。注目されている次世代エネルギーの一つであることは間違いない」と期待感を込めて現況を語った。
新エネルギーの有力なコンテンツの一つとして今後の動向に注目したい。
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