第1章「ロボスクエア事件」とPR業務委託業務に見る発注制度の落とし穴(後)
<求められる早急な制度構築と透明化>
建設業界ではたびたび贈収賄事件や談合、天下りなどが社会問題化した。これらの払拭に向け、公共工事では入札・契約制度の改善が図られてきた。一般競争入札の推進や指名競争入札の評価制度の変更が進み、随意契約は消滅しつつある。受注単価は下がっていることに加え、不正が発覚すれば指名停止処分という制裁を受ける。
広告やイベント事業など委託業務への発注やペナルティの制度が未成熟なことが、詐欺事件発生や「門外漢」の台頭を促した。一刻も早い制度の確立が求められる。1人のみの担当者の管理不足や外部顧問への絶大な権限移譲は、市の丸投げ意識も透けて見える。
たしかに、こうした委託業務は公共工事とは異なる。費用対効果の可視化が困難で、早急な競争原理が導入できないとすれば、中途半端な公募よりも随意契約の方がわかりやすい。後山氏の位置に、プロ中のプロを招聘して、発注過程や効果の徹底した透明化を図る。また、定量化できるものはあらかじめ本人に目標を設定させ、未達成ならば責任を問う。市は任命責任を明確にする。いわば"究極の随意契約"で、発注側の当事者意識を高める方法もある。
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