「3,500万円の柿右衛門の壺が売れた」そんな話しを耳にした。岡山での出来事だという。柿右衛門とは、江戸時代の肥前国(佐賀県)有田の陶芸家、および代々その子孫(後継者)の酒井田柿右衛門のこと。現在は十四代目で、その作品の有田焼の壺が売れたということだろう。
また同じく岡山で、「純金の鈴(りん)がここ最近えらく売れている」という話も耳にした。鈴とは仏具であり、仏壇にあるチーンとさせる道具のこと。純金の鈴の価格は約500万円だそうだ。
一軒家が購入できるほどの壺と、鳴らすのをためらうような純金の鈴。今まででは考えられないような物が、ここ最近売れているのだという。
百貨店と取引のあるメーカーの話によると、好景気だろうが、不景気であろうが、ファッションや食料品などの売れ行きはそれほど大きな差はないのだという。
しかし、景気の影響が一番大きく出るのは、美術品や宝飾品といった「生活に必ずいるものではないが、あると良いもの」。やはりアベノミクス効果の恩恵を受け、好景気になった一部の人たちが美術品を買うようになってきているということだろうか。
しかし、「そのお金の使い方、まったく理解できない」という人がいるのも事実。
いまだアベノミクス効果に関し「まったく実感がない」と感じている人の数の方が圧倒的に多い。高級美術品などを購入し、それがまわりまわって末端の日本国民まで効果を実感できるようになるまでは、まだまだ時間がかかるだろう。
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