アメリカの経済専門チャンネル「ブルームバーグ」は、このほど中国の大気汚染について言及し、中国で出産した際に、奇形児が生まれてくる確率は、アメリカの18倍にも及ぶと指摘した。
記事によると、石炭燃料の採取地、山西省で、10年にわたって新生児の研究をしてきたアメリカの研究チームが現地の新生児、約100人を対象に、調査したところ、アメリカの通常の場所に対して、18倍も神経系に欠陥のある新生児が産まれているという。
特にこの地域が石炭燃料の生産地であることから、大気汚染が著しくひどい街という感じで、大気汚染も含めて、中国だけに起こっている数々の問題点を指摘している。深刻な大気汚染で隣国にまで迷惑をかけているなか、新型の鳥インフルエンザが発表され、人間にまで感染した。記事では、中国政府の隠蔽体質にも言及し、このレベルまでひどい状況を作ったのは、中国政府の「くさいものにはフタ」という精神が根付いているからだと指摘している。
中国ではここ最近、大型の河川にブタの死骸やアヒルの死骸が大量に流れ着いている。未だに原因は不明という状態だが、早々に河川の水の安全宣言を行なった。先日起きたアヒルの大量死は、新型インフルエンザとの関連性があると疑っている国内メディアもある。地元メディアの取材によると、毎年のようにこのような疫病は流行しているというが、これまで中国政府はほとんど公表してこなかった。今回公になったのは、人への感染が起きたことで、政府が隠し通すことは難しいと判断したのだろう。
大気汚染の影響で、企業の中国離れが始まってきている。今回の鳥インフルエンザの蔓延も少なからず影響を与えるであろう。中国政府は、約30年続く「一人っ子政策」の弊害から、労働人口の充実をはかりたいと躍起だが、子供を育てる環境にないことは容易にわかる。数々の苦難を食い止めるには、中国政府がまず「正直者」にならなければいけないのである。
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