国と九州電力を相手取って玄海原発1~4号機すべての操業停止を求めている「原発なくそう!九州玄海訴訟」で4月12日、原告数が6,000人を超えた。同日、26都道府県の604人が佐賀地裁に追加提訴したもの。原告総数は6,097人になった。全国各地で原発の操業差し止めを求める訴訟が広がっているなか、玄海原発訴訟は引き続き歴史上最多数の原発訴訟であり続けている。追加提訴は今回で第6次になり、右肩下がりだった提訴人数が上昇傾向に転じた。原告・弁護団は「脱原発の国民のうねりが衰えることなく続いている証左である」(第6次提訴声明)と強調した。
長谷川照原告団長は、「これから7月にかけて原発の新規制基準が議論になっていくが、1万人原告をつくるチャンスだ。法廷内は佳境に入っていくが、原告団も表に出て運動、行動すべきときだ」と呼びかけた。
板井優弁護団共同代表は、「取り返しのつかない事故を起こすような発電方式はとるべきではない。私たちは、存在する原発はすべて危ないと主張している。すべての国民が自分の問題として考えてほしい。安全というとき、国の基準は安全基準ではなく、操業基準であり、時の政府が『操業してよい』とつくった基準に過ぎない。法律を守っていることと、事故を起こした責任は別だ。法律を守っていたから責任がないとはならない」と述べ、すべての原発廃炉を求めた。
6次提訴で原告になった福岡市の岡村澄子さん(35)は提訴後、佐賀地裁前で「福島のような事故を2度と起こしたくないという意思表示を、原告になることで公の場で1人の市民として表すことが重要なかたちだと思った」と述べた。岡村さんは、玄海原発で事故が起きた場合の放射性物質の拡散状況を風船を飛ばして目に見えるかたちで市民自身の手でたしかめる「風船プロジェクト」に取り組んできた。「気持ちを自分のなかに留めておくだけでは世の中は変わらない。脱原発という自分の意志を表明することが大切だと実感した」と語った。
玄海原発訴訟の次回口頭弁論は、5月31日午後2時から、佐賀地裁で開かれる。原告・弁護団は、原告数1万人を達成し脱原発の世論を示すことが裁判所や政治を動かし原発廃炉を実現する力になるとして、引き続き原告を募集している。問い合わせは、佐賀中央法律事務所(佐賀県佐賀市中央本町1-10ニュー寺元ビル3階、TEL0952-25-3121)まで。
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