日本とベトナムの外交関係樹立40周年を迎える今年は、福岡県とハノイ市が友好提携を結んで5年目となる節目にあたる。これらを記念し、九州国立博物館(福岡県太宰府市)では、日本で初めての本格的な「ベトナム展」を開催する。
展示はベトナムの出土品、絵画や書簡、装飾品などさまざま。紀元前の文化に始まり、千年の都ハノイ、日本人町のあった17世紀、19世紀に阮朝の都が置かれた中部フエといったベトナムの壮大な歴史が一望できる。
また、会場ではフォーや春巻きなどベトナム料理を堪能できるほか、民族衣装のアオザイをはじめ、ベトナム雑貨の販売も行なわれる。まさに1日でベトナムを満喫できる充実した内容となっている。
九州国立博物館広報課によると、展示会は数年前から企画がスタートし、今年3月から作品の集荷のため、ベトナムはもちろん、インドネシアや日本各地を回ったという。現在は展示準備の最終段階で、学芸員が大忙しとのこと。今回の展示会自体が非常に珍しく、見所も多いが、一番見て欲しい作品は「翼善冠」(阮朝19世紀 ベトナム国立博物館所蔵)。黒地にきらびやかな金装飾が施された冠で、頭上に2つの角があるのが特徴。王が政務を見るときに被ったものだそうだ。
同広報課は「堅苦しい展示会ではなく、【みる、かう、たべる、ベトナムへの1日旅行】がキャッチフレーズ。博物館初心者でも楽しめる内容になっているので、レジャーのひとつとして、気軽に楽しんでほしい」と多くの来館を期待している。前売り券の販売も好調のようで、多くの来館者が見込まれそうだ。
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