<成長産業の育成なしにはアベノミックスは財政破綻>
《人の気・気分》で世の中の流れがどれだけ変わるのか、如実に示したのが【アベノミックス】効果である。各所で開かれた今年の新年会では、各経営者の顔色が明るかった。そして日本銀行新総裁・黒田春彦氏が就任したことで市場は大歓迎、円安と株価の高騰で湧きかえっている。《小泉マジックならぬ安倍マジック》の影響で、久しぶりに日本に明るさが復活しているのだ。まだ本格的な策を講じたのではないのに驚異的な変わりようである。
ただ最悪の事態も想定されている。【アベノミックス】の基本政策は《財政のバラマキ=国債の乱発》である。物価2%に便乗して景気全般を浮揚させないと《財政破綻の危機》が生ずる。このことは黒田総裁も認識されている。景気浮揚の道は成長産業の育成しかないのだ。だが原発温存政策にみられるように、現政府の経済政策には首を捻ることが多い。利権擁護経済政策に終始していれば必ず天罰を浴びるであろう。
<ドンキホーテが世の中をチェンジさせる>
NPO法人海洋温度差発電推進機構の上原春夫理事長は元佐賀大学学長をしていた。彼の発電構想は1,000メートルの海底の深さを活かした温度差発電である。《100兆円つぎ込めば日本の必要とする電力は賄える》と唱える。《その後の費用はいっさいゼロ・必要なし》となれば原油・ガス輸入代がゼロとなる。一変して日本経済は強くなるのだ。一見、上原理事長の海洋温度差発電システムはドンキホーテのように見受けられる。だが、国連は予算付してくれており、太平洋の小島国家にはこの発電システムが貢献し、重宝がられているのである。
北九州市八幡東区では《未来のエネルギー自立地域》の実験が行なわれている。新日鉄の高炉で発生する水素を水素自動車に注入する。一晩、車のモーターを廻して発電して蓄電すると住宅の1週間分の電力が賄われるという。水素ばかりでなくメガソーラー、太陽光を活かした発電したエネルギーを地域で活用する《エネルギー自立地域》は各地区で具現化されている。実験段階よりはるか先を行くケースもある。
これまでNET-IBでは、様々な新時代の自然再生エネルギー活用の実例を紹介してきた。その全てのケースが実現可能と思われる。《原発の莫大な被害と収拾のための資金の必要性》を目の当たりにすると《自然再生エネルギーの利用》は当然の成り行きだ。同時に"食の自立化の促進"が重要だ。鹿児島県大隅半島に(株)さかうえ(代表取締役、坂上隆氏)という農業生産法人がある。全国の同志2社と共同ブランドを立ち上げた。さかうえを含めた3社の耕地面積は300万m2と壮大なもので、農業産業にインパクトを与える存在に成長しつつある。
安倍政権はこのような【エネルギーと食の自立産業育成】に集中的に資金を投入することを提言する。
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