4月19日から日本ツアーを始めるニューヨーク発の神韻芸術団が同14日、韓国・仁川で公演を行なった。会場となった仁川総合文化芸術会館では、1つ1つの演目を終える度に、割れんばかりの賞賛の拍手が鳴り響いた。今回、NET-IBは、神韻芸術団の活動を支援している(社)古典芸術振興会の紹介を受け、仁川公演を視察した。
<人間の限りない可能性を感じる舞台>
神から伝えられたという文化を体現した中国の古典芸術を世界に知ってもらうために、神韻芸術団が結成された2006年以来、専属のダンサーやオーケストラが3つのグループにわかれて世界100都市で公演を行なっている。
演目には、西遊記や水滸伝といった古典文学を題材にしたものもあれば、チベットやモンゴルの民族衣装をダンサーがまとい、それぞれに特色のある舞踊を披露するものもある。すべての演目の背景には、中国が文化大革命などで失いかけている儒教、仏教、道教に基づく価値観がある。
華麗な舞踊にはアクロバティックな要素も加えられる。バックスクリーンに映し出されるデジタル画像は演目ごとに切り替わり、その背景からダンサーが登場するシーンには観客席の所々から感嘆の声があがっていた。
古典芸術振興会の福岡代表・衣振丹氏によると、ほとんどの団員は3年の厳しい練習を経て、舞台に立っているという。華麗で隙のない、完成度の高い演技を見る限り、にわかには信じ難い。しかし、祖国の文化・芸術の素晴らしさを知ってもらいたいという熱い志が不可能を可能にした。神韻芸術団が表現するのは、『人間の限りない可能性』と言っても過言ではないだろう。
合計で47回の公演が行なわれた台湾、そして14回の韓国に比べ、今回、全国各地で11回しか公演されない日本では、神韻芸術団の認知度はまだ低い。それでも、1度見た観客はリピーターとなるため、舞台に近い席は確実に埋まるという。仁川公演後、「ダンサーの一生懸命な姿を見たら、自分の応援がまだまだ足りないと痛感しました」と、衣氏は唇を噛み締める。中国における反日デモが、まだ記憶に新しいこともあり、今年の興行に逆風が吹いていることは確かだ。しかし今の中国が、はたして本当の中国なのだろうか。その答えを知る上で重要なヒントを神韻芸術団は伝えようとしている。
※舞台の画像は神韻芸術団より提供いただいております。
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