近年、加害死亡事故が発生売るなど、自転車事故は大きな社会問題になっている。このような現状を踏まえ、一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)福岡支部(支部長 長谷川康則)では、2013年3月25日に同支部初の交通マナー調査「自転車運転マナー調査」を実施した。同調査の目的は、交通ルールの遵守や運転マナーの向上を呼びかけようというもの。対象区域は、福岡市都心部2カ所(天神・博多地区)で、一般道路を走行中の自転車、合計2,000台を対象に、携帯電話使用、2人乗り、イヤホンの使用、並進などの有無について調査した。
その結果、2,042台中295台(14.4%)がイヤホンを、32台(1.6%)が携帯電話を走行中に使用。注意力低下をともない、事故につながりやすいものとして問題になっている「ながら運転」が、全体の1割以上で行なわれていることが判明した。
また、調査が行なわれた場所は自転車通行可の歩道ではあったものの、多くの自転車が歩行者を顧みず、かなりのスピードを出したり、歩行者の間を縫うように走ったりする危険な運転が頻繁に見られ、「歩道は歩行者優先」という基本マナーも守られていないこともわかった。
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福岡市では13年4月1日に、「福岡市自転車の安全利用に関する安全利用」が施行されたばかり。自転車利用者の交通ルール遵守とマナー向上が求められている。「歩道では歩行者優先」などの交通基本ルールを守り、自転車の交通事故を起こさないように注意しなくてはならない。JAF側も「今までJAFでは自動車だけを対象にしてきたが、これからは自転車も、重視すべきだという認識を持ち始めたところです。調査についてもすでに来年度の3月に行なうことになっています」と、コメントしている。
しかし、自転車利用者側からは「自転車通行可の歩道の標識がよくわからない」という声があがっている。また、「自動車と違って、自転車は子どもから高齢者まで誰でも無免許で乗ることができる。交通標識の認識などが徹底されていないと思う」という意見があることも見逃せない。JAFでも、今後の予定として、交通マナー講習会を行なうことも考えており、自転車利用に対して交通マナーを認識してもらうための対策が必要だと感じている様子だ。
誰でも簡単に乗れる物が安全だとは限らない。自転車もクルマと同じ仲間だ。正しく安全に使用するためには、利用者に交通ルールがきちんと行き届くような取り組みが必要だろう。
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