ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

社会

思考の壁を除き「うつ病」を克服(中)~NPO法人「人間賛歌」相良五郎理事長
社会
2013年4月18日 15:22

<悪い方へと連想する癖がなくなれば状況は一変する>
 「うつ病」に対して世間が持っている様々な「思い込みの壁」を取り除いていこうというNPO法人「人間賛歌」理事長の相良五郎氏。「うつ病」の要因は「思考障害」にある、という相良氏は、うつ病になる人の思考の傾向を、以下のように捉えている。

sagararyouhou1.jpg

(「さがら療法」より)

 これを見て、もし「善は良いことだから、うつ病を引き起こすはずない」などと考えてしまうのであれば、それも「思い込みの壁」だと思ってみると、相良氏の言わんとするところ、気持ちを察することができ、表の意味がわかりやすくなるだろう。

 相良氏は、心の仕組みを、「自意識」「無意識」「感情」に分け、そのうち外部情報を考え、判断する「自意識(思考)」と、内部情報によって判断する「無意識(記憶された知識)」が連動して人間性に現れると捉えている。
しかし、無意識が、不安や利己や執着などによって、悪い方へと連想、空想、想像を繰り広げてしまうと、自意識がきちんと外部情報を判断できなくなって「思考障害」を起こしてしまう。
 上記の表にあるように、「今」のことを考えるだけでいいのに、なぜか先のことを悪い方に連想し続けてしまう。そして不安を覚えて感情が不安定になってしまう、という仕組みなのだ。

 ちなみに相良氏があげる「うつ病予防や自殺防止」、つまり連想を止めるための考え方は、以下のとおりだ。

sagararyouhou2.jpg

(「さがら療法」より)

 連想を止めれば大部分の「うつ病」は改善するのだが、この癖がある人は、ひとりで止められないから苦しむ。

 ちょっと想像してみてほしい。朝起きてから、夜寝るまで、四六時中、不安や恐怖に晒されている状態を。人間誰でも不安や恐怖を感じるが、その原因となるものに接さなければ、気持ちを落ち着けることができる。しかしうつ病や症状がある人たちは、原因が自分の内面にあるため、接さざるを得ない。その大部分は「思い込み」が作り上げた妄想なのだが、逃げようにも逃げられず、寝て忘れようとしても眠れないから忘れられない。

<本人たちにしか治せない>
sagara.jpg 相良氏は、連想を止められるようカウンセリングを行なうことによって、苦しむ人々のサポートをする。しかし治療するのではない。
 「私はうつ病を治すのではありません。お医者様も治してはいないはずですよ。思考も感情も本人のものですから、心は本人にしか変えられないのです」(相良氏)
 苦しみを取り除くことができれば、人は落ち着いて自分や周りのことを考えられるようになる。その心の余裕が、大切なものに気づく考え方を育んでくれる。相良氏も、本人たちに心の余裕が生まれたときまで待ってから、次の療法に入る。

(つづく)
【黒岩 理恵子】

≪ (前) | (後) ≫


※記事へのご意見はこちら

社会一覧
社会
2013年5月 1日 16:27
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
流通メルマガ
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル