注目の人事が動き出した。九州経済連合会の松尾新吾会長(九州電力相談役)が6月に退任し、後任に麻生セメント(福岡市)の麻生泰社長が起用される方針であることがわかった。6月の総会で正式に決定される。九経連は1961年の創設以来、全7人の会長が九電会長経験者で、麻生氏に決まれば九電以外からの会長就任は初となる。
麻生泰氏は、麻生太郎副総理の実弟で、麻生グループの中核企業である(株)麻生の会長も兼任(社長は子息の麻生巌氏)。「飯塚病院」の経営体制を見直し黒字体質にしたことで、経営者としての手腕は高く評価されている。
松尾氏は2009年5月に九経連会長に就任したが、11年3月の東日本大震災後、原発がらみで「九電やらせメール問題」が発覚。また最近では、経営面で大きな課題を抱えたことから、電気料金値上げのほか、鳥栖市の九州国際重粒子線がん治療センターなど佐賀県内3施設への2012年度分の寄付を中止するなど、ゴタゴタが続いていた。
こうした現状への批判を避けるため、今回の人事に至ったと見られている。
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