<日本の環境技術のやれること>
普及促進のために、相原氏は価格帯にもこだわっている。「少なくとも発電量1キロワット当たりで、150万~180万円以下の価格帯が望ましいと思っている。エネルギー効率がいいので、採算も取れる。ただ、日本では、自治体の庁舎などに普及させることは考えていますが、販売して儲けることは考えていません」と、にこやかに語る。
相原氏には、グローバルな視点で地球の環境保全に貢献するという理念があるからだ。東南アジアやアフリカなどに出向き、開発途上国の環境、新エネルギー普及の支援なども行ってきた。地球温暖化防止や自然エネルギーの普及に取り組んできた相原氏は、地球規模の環境保全と、その啓発にも情熱を注いでいる。
「ゆくゆくは、東南アジア、アフリカの電力の通っていない小さな村に、小型風力発電機を持っていきたい。小型の風力発電機を一つ置けば、いまだに電力がない村の人々が助かる」と話す。
<エネルギー後進国への貢献目指す>
「日本の環境技術は優秀です」と、日本が磨いてきた環境技術の分野が、もっとも日本が世界に貢献できる技術だと語る。相原氏が以前訪れたことのあるアフリカ・タンザニアの村では、不衛生な水を飲んだことにより、子どもたちが命を落とすこともあったという。
「太陽光パネルや小型風力での電力供給と、日本の持っている水をきれいにする技術を組み合わせれば、そういう小さな村でも水と電力の恩恵を受けられる」と、開発途上国に自然エネルギーを普及させ、アジア、アフリカなどの多くの村が、電力の恩恵を受けられるような取り組みを続けていく。
風は、天から与えられたもの。「20世紀は、エネルギーを制する者は世界を制すると言われた。しかし、これからは、エネルギーを作る者は世界を正すことができる時代ではないでしょうか。自然、環境を壊しすぎると、真っ先に抹殺されるのは人間。風はタダですから自然の力を上手に活用して、正しいエネルギーを使っていく時代なのではないでしょうか」と、相原氏は訴えかけた。
日本の技術を結集した新世代の小型風力発電機。独創的な球体形が、風から取り込むエネルギー。少しずつ未来を変えていくかもしれない。
≪ (3) |
※記事へのご意見はこちら