被服・履物にかける1世帯あたりの年間支出額が17万4,037円(総務省・家計調査、2011年)と、大都市で最も多い福岡市。その同市中央区の天神ビブレに、2年前に東京で立ち上がったブランド「LADY MADE」の新店が20日、オープンした。出店は、東京の渋谷109、ルミネエスト新宿店に続く3店舗目。福岡のみならず西日本でも初。オープンの状況を取材した。
<人気モデルとタイアップし、ネット上で話題に>
「LADY MADE」のターゲットは20代前半の女性。落ち着いた色あいのピンクをベースにした服やバッグ、靴などが多いのが特長で、福岡でのオープンを聞きつけて足を運んだ人々からは「かわいい!」といった声が所々から聞こえてきた。新店で最初に商品を購入した福岡市の女子大生は、「モデルさんがブログで『LADY MADE』の服を紹介しているのを見て、ずっと気になっていました。少し大人っぽくてカワイイところが好きです」と笑顔で語った。
同ブランドは人気モデルの矢野未希子さんとタイアップしており、ネット上でも話題を集めている。オープン記念として、春トレンチコートと大人気のトップスが入ったSPECIAL HAPPY BAGを5,250円(税込)で販売。このほか、商品購入の際、オリジナルDVDや8,000円以上の購入ならばオリジナルロゴ入りポーチをプレゼントされる(なくなり次第終了)。ちなみに、福岡店の藤井店長(画像)のオススメは、矢野未希子さんがデザインしたワンピース。「他にも、これまでありそうでなかったカワイイデザインがそろっています。ぜひ1度、ご覧になってください」と語る。
<福岡出店の理由と新たな挑戦>
オープンの様子を視察に訪れていた、同ブランド運営(株)lots of pockets(本社:東京都渋谷区)の田中洋輔 代表取締役社長は取材に対し、「名古屋や大阪からも出店の話が寄せられますが、テナントの位置、人材の確保などすべての条件が整った福岡での出店を決めました」と説明。新店の位置は天神ビブレの1階の中央。目に入りやすい一方で通り抜けされやすいというリスクがある。売上につなげるには、商品の陳列や販売スタッフの接客技術が問われてくる。
激戦区・福岡での挑戦――。全国への店舗展開を占う上で重要と考えられる局面で、福岡店のプロデュースおよび運営を託されたのは、各種業界で人材教育および店舗運営のコンサル事業を行なう総合教育社アシスト(株)(本社:福岡市東区)である。同社のキャリア教育歴25年の炎の教育探求家・小路智広代表と、過去担当ショップで日本一の年間売上1億円を上げた実績を持つ店舗コンサルタント・小路文子氏は、同ブランドの東京における店舗立ち上げから携わっており、田中社長の信頼も厚い。
今回の出店に際しては、売り場の見せ方を工夫するVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)を追求。オープン直前まで何度も練り直し、ついにフロアのほぼ四方からスッキリと目に入るレイアウトを実現した。さらに店舗中央に台上にマネキンを置いて目立たせ、集客を増加させる(マグネット効果)など、豊富な経験に基づいたさまざまな工夫が施されていた。
若者の人材教育や雇用問題に取り組んでいる同社は、新店のスタッフ教育にも新たな挑戦を行なう。新店スタッフの半数は、福岡市内のファッションデザイン専門学校で小路文子氏の販売実技教育を受けた生徒を採用。未経験者を教育し、育てながら売り上げも達成していくという。小路智広氏は、「個人の売上成績で毎回評価し、悪ければ翌日のシフトから外し、再び教育し、チャンスを与えるという流れです。個性を生かす教育システムに加えて、本来持っている潜在能力である『競争力』を引き出します」と、熱く語る。人材教育における挑戦がどのような効果をもたらすか、という点でも注目したい。
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