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トータルサービスで業績急伸~OA機器ネットショップ「オフィス110」
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2013年4月23日 13:26

 困ったときの「オフィス110」――。(株)ベルテクノス(福岡市中央区)が手がけるネットショップ・「オフィス110」は、文字通りOA機器の緊急連絡先として需要を伸ばしている。新品、中古にかかわらずニーズに応じて探し出す機動力が強みだが、真骨頂は買取や工事まで行なうトータルサービスだ。加えて、業界屈指の価格競争力を持つことからユーザー層は全国に拡大。サービスエリアは北海道から沖縄まで、ほぼ全国を網羅している。リアル店舗時代を含めて7年余りの稼動で、販売実績は10万社を超えた。
 2008年に、リアルからネットショップに完全移行。それから徹底的にネット販売を研究した。試行錯誤の末、ネット空間での消費者との接点(きっかけ)づくりから反応(アクション)への仕組み化に成功。現在の受注増を勝ち取った。

nakasima.jpg IT化が進む現代に置いて、ネット販売に力を注ぐ企業は少なくない。だが、費用対効果で実績につなげられている企業はまだ少ない。同社がネット販売での「勝ち組」になり得た要因について、同社の中嶋大介社長は、費用と時間を投資したことはもちろん、自ら学び続けたことを挙げる。
 中嶋氏の見るところ、業界内でネット販売への本気の取り組みを継続できているのは数社程度。そこには「継続できない事情があるのではないか」(中嶋氏)と見る。多忙な経営者は担当者に任せるしかないが、経営者の意図=消費者のニーズを汲み取れるウェブデザイナーは極めて少ない。デザイン学校では、経営や販売を教わることがないからだ。
 そこで中嶋氏は、きれいな画面がつくれるデザイナーを、売れるサイトづくりができる人材へと育成していった。それができるのも、中嶋氏がネット通販を学び続けているからだ。
 今後は、リアル販売のためにもネットの重要度が増す。中嶋氏は「だからこそ経営者自らの学びが重要」と力説する。

 こうした取り組みや考え方の背景には、中嶋氏の「従業員への思い」がある。
 もともと中嶋氏が起業したのは、大きな収益を上げるためでも、自らの名前を売るためでもなかった。中嶋氏が20歳のとき、父が事業に失敗した。父の背中を見て育った中嶋氏は、負債返済の助けになればと電気通信工事に取り組んだ。コツコツと事業を継続するなか、気がつくと周囲に従業員が増えていた。そこで、付いてきてくれた人々への恩返しとして、安定した生活の場をつくりたいとの思いから、6年後に法人化に至った。
 しかし、雇用維持に力を注ぐうち、いつしか目的と手段が逆転、営業至上主義の会社になっていたという。ビジネスフォン販売業界では「気合のベル」として有名だった。その渦中で、ふと父と顧客との関係を思い出した。振り返れば、父はどの顧客にも喜ばれる仕事をしていた。思わぬ落とし穴に落ちてしまっていたが、やはりビジネス継続のためには顧客に喜ばれなければならないと再認識。組織変更に着手した。

 現在、同社は積極的な営業活動は行なっていない。既存客の顧客満足度の向上とウェブ制作こそが営業活動と言える。こうした取り組みもあり、恩返しすべき社員の定着率が格段に上がった。
 中嶋氏は今年を「顧客元年」と位置づける。「従業員のためにも、やはり一番大事なのはお客様」と中嶋氏。そこで、現状でも高い顧客満足度でオフィス110のサイトには多くの感謝の声が寄せられているが、さらなるサービス向上に向けて「顧客満足度向上部」を立ち上げた。
 社員第一主義から顧客第一主義へ舵を切った同社。今後は喜んでくれる顧客の売上増を直接サポートするため、コンサルタント業にも取り組んでいく。


▼関連リンク
・オフィス110
・(株)ベルテクノス


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